【季節の変わり目 心身の不調防衛術】例年以上に崩しやすい自律神経のバランス コロナで変わった生活環境

夕刊フジ / 2020年9月16日 17時16分

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古賀良彦医師(夕刊フジ)

 コロナ自粛で仕事や家庭環境の変化に加え、酷暑や台風など過酷な自然環境の変化にもさらされている。このような状況では、「なんだか具合が悪い」といったことが起こりやすい。もともと季節の変わり目には、体調不良が生じやすいが、今年は拍車がかかっている。5回にわたって専門医に話を聞く。

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 季節の変わり目に体調を崩しやすいのは、体の恒常性を司る自律神経のアンバランスに関わる。自律神経は、交感神経と副交感神経が協調して働くことで、体温や心拍、呼吸、臓器の働きなどをほどよい状態に保つ仕組みがある。だが、気温が定まらないなど環境の変化が激しいと、自律神経のバランスが崩れて体調不良につながるのだ。

 「季節の変わり目の自律神経の乱れは、頭痛やめまい、動悸(どうき)、胃腸の調子が悪くなるなど、さまざまな症状につながります。今年は、特にコロナ自粛によるストレスが加わり、例年以上に体調を崩す恐れがあるのです」

 こう警鐘を鳴らすのは、杏林大学名誉教授の古賀良彦医師。現在、著書『パンデミックブルー(感染爆発不安)から心と体と暮らしを守る50の方法』(亜紀書房)などで、コロナ禍での健康管理を啓発している。

 「自律神経は、ストレスの影響が続くとバランスが乱れます。ストレッサー(ストレスを作る要因)=別項参照=は多彩です。コロナ自粛で環境が変わり、さらに、家庭内などの人間関係のストレスも加わることで、症状が強く出ることがあるので注意しましょう」

 たとえば、コロナ自粛でリビングで過ごす時間が長くなった人がいたとする。リモートで仕事をしているときに、キッチンから、調理や食事の匂いや音が漂い、家族の話し声が聞こえてくると、集中力が途切れてしまうこともあるだろう。また、学校から帰ってきた子供の勉強で、机の争奪戦が勃発する家もある。さらに、高齢の親の面倒を見たり、仕事以外のことが増えた人もいるだろう。それらのストレスが自律神経に悪影響を与える恐れがあるのだ。

 「これまで通勤して仕事をしていた生活が一変し、生活環境の変化によるストレスを受けている中で、夏から秋へ、しかも、猛暑から台風の季節の変わり目の環境では、自律神経のバランスを例年以上に崩しやすいのです」

 自律神経のバランスを整えるには、(1)朝は一定の時間に起き、(2)1日3食の食事をきちんと取り、(3)必要な睡眠時間を確保する--といった、生活のリズムを整えることが重要になる。

 「ご自宅で過ごす時間が長くても、生活リズムを毎日一定に保つことが大切です。また、コロナ禍では難しい場合もありますが、体調不良は放置せず、医療機関を早めに受診するように心掛けましょう」

 単なる自律神経のアンバランスと侮っていると、思わぬ病気に襲われることがあるのでご用心。それは次回紹介する。 (安達純子)

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 ●ストレッサーとは

 ストレスを作る要因のことで、その刺激は、主に次のように分類される。

 〔1〕物理的ストレッサー(騒音や振動、強い光、不快な湿度や温度など)

 〔2〕化学的ストレッサー(光化学スモッグや悪臭など)

 〔3〕生物学的ストレッサー(睡眠不足や疲労など)

 〔4〕心理社会学的ストレッサー(家庭や職場などのライフイベント)

 一般的に〔4〕の人間関係トラブルなどを取り沙汰されることが多いが、〔1〕~〔3〕も加わることで身体不調につながりやすくなる。

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