【健康寿命UP術】ハードな運動より「中強度」のウオーキング 専門家「1日平均1万2000歩以上は逆効果」

夕刊フジ / 2018年1月13日 17時6分

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青柳幸利室長(夕刊フジ)

 寝たきり予防には、丈夫な骨や筋肉などを維持するため、運動習慣が欠かせないといわれる。しかし、仕事など多忙な毎日で、運動時間を確保するのが難しい人もいるだろう。では、次のAさんとBさん、どちらが健康寿命を延ばす可能性が高いか? いずれも仕事はデスクワークと想定して考えてみよう。

 【Aさん】駅や社内で階段を使用し、帰宅するときには、ひと駅前から自宅まで歩く。1日の平均歩数は8000歩。週末は、子供と一緒に外出することが多く、ジムなどには通っていない。

 【Bさん】週2〜3回、早朝や仕事後にジムに通い、週末はフルマラソンに挑戦。体を動かすことが好きで、トライアスロンにも挑戦したいと思っている。

 Aさんは厚労省の目標値とする1日平均8000歩はクリアしているが、特に運動習慣はない。一般的に体をよく動かしているBさんの方が、健康寿命を延ばせると思うだろう。

 ところが、群馬県中之条町の住民5000人を対象とした疫学調査(中之条研究)で、Aさんのタイプの方が、健康寿命を延ばせる可能性が高いことがわかった。

 「従来は、体を動かせば動かすほど健康に寄与すると考えられてきました。しかし、1日平均1万2000歩以上のハードな運動習慣は、逆効果になることがわかったのです」と説明するのは、東京都健康長寿医療センター研究所運動科学研究室の青柳幸利室長。2000年から中之条研究を行い、その成果により国際的な国家プロジェクトのメンバーとして活躍。『あらゆる病気は歩くだけで治る!』(SBクリエイティブ)などの著書で、一般の人への啓蒙活動も行っている。

 「ハードな運動習慣では、細胞や遺伝子を傷つける活性酸素などが体内に多量に発生し、慢性的な炎症につながります。血管の動脈硬化も進み、激しい動きに耐えられない膝や腰、関節などのダメージも受けやすい。ハードな運動を続けることが、イコール健康にはならないのです」

 青柳室長が導き出した健康に役立つ歩き方は、1日平均「8000歩・中強度の活動20分」。この20分の活動は、速歩で行う。弱すぎても強すぎてもダメで、正しい方法で行うことが大切になるという。

 「毎日無理をする必要はありません。1週間の平均でも効果は得られます。足腰が弱い人は、徐々に歩数と中強度の活動時間を延ばすとよいでしょう。また、膝が痛い人やご高齢の方には、両手でポールを持って歩くポールウオーキングもおススメです」と青柳室長はアドバイスする。これなら、今日から始められる。

 ■寿命を延ばす「中強度の歩き方」 □歩幅を大きくすることを意識する(自然に背筋を伸ばして腕を大きく振るようになる) □会話がなんとかできる程度の歩き方が中強度(歌が歌えるようでは低強度、会話ができないと高強度) □目安は1分間に120歩のペース □できないときには無理しない。少しずつペースを上げ、時間を延ばすようにする □体温リズムの観点から、夕方行うのが理想的

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