安倍首相“電撃政治決断”連発で与党「改選過半数」突破か 対韓規制、ハンセン病訴訟…一連の決断がリベラル層に影響も

夕刊フジ / 2019年7月11日 17時11分

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選挙プランナーの松田馨氏(夕刊フジ)

 安倍晋三政権が、電撃的な政治決断を連発している。韓国向け半導体素材の輸出管理強化に踏み切っただけでなく、ハンセン病元患者の家族訴訟で、国に損害賠償を命じた熊本地裁判決について政府の控訴を見送ったのだ。現在、参院選(21日投開票)の真っ最中だが、こうした毅然(きぜん)とした姿勢は選挙戦にどう影響するのか。選挙プランナーの松田馨氏に中盤情勢の分析を依頼したところ、自民、公明与党は「改選議席(124)の過半数(63)」を突破し、さらに上積みする勢いだという。

 「筆舌に尽くしがたい経験をされたご家族の苦労を、これ以上、長引かせるわけにはいかない。国は控訴しない」

 安倍首相(自民党総裁)は9日、ハンセン病患者本人に限らず、差別を受けた家族にも国の賠償を命じた熊本地裁の判決を受け、自らの政治決断について、官邸で記者団にこう説明した。

 政権内には「控訴すべきだ」との声も強く、朝日新聞は同日朝刊1面トップで「ハンセン病家族訴訟控訴へ」という“歴史的大誤報”を飛ばした。

 だが、「厚労族」でもある安倍首相は「極めて異例の判断」として、元患者らに寄り添う姿勢を示した。

 安倍政権は同日、安全保障上の運用見直しとして、「フッ化ポリイミド」「レジスト」「エッチングガス=高純度フッ化水素」の輸出管理を厳格化した韓国には、決然とした姿勢を見せた。

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が前日、日本の管理強化撤回と2国間協議を求めたことについて、菅義偉官房長官は記者会見で「今回の措置は、輸出管理を適正に実施するものだ」「協議の対象ではなく、撤回は考えていない」と突き放したのだ。

 国内外に向けた硬軟織り交ぜた対応は、公示前に注目された「老後資金2000万円」の年金問題や消費税増税問題を薄めてしまった感もある。

 夕刊フジでは、選挙分析のプロである松田氏に、世論調査と独自情報をもとに、選挙戦中盤での予測議席を算出してもらった。

 自民党は、政治決断の影響か「選挙区40、比例19」の計59議席で、非改選を含めて計115議席となり、1週間前の序盤情勢(4日発行)よりも計3議席増やした。

 山口那津男代表率いる公明党は「選挙区7、比例7」の計14議席で、目標の13議席をクリアする勢いを維持している。

 与党の改選獲得議席は「73」で、非改選も加えると計143議席に達する。

 松田氏は「一連の政治決断は、安倍政権を支持するコアな保守層だけでなく、距離があったリベラル層にも影響しそうだ。6年半続いた安定政権らしい一手といえる。選挙戦終盤に向けて、政権・与党への追い風となる可能性がある」と指摘した。

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