米シェール企業ホワイティング経営破たん、原油急落が打撃
ロイター / 2020年4月2日 8時17分
北米のシェールオイル生産のホワイティング・ペトロリアムは1日、米連邦破産法第11条(民事再生法に相当)の適用を申請したことを明らかにした。ニューヨーク証券取引所で2015年3月撮影(2019年 ロイター/BRENDAN MCDERMID)
[1日 ロイター] - 米シェールオイル生産のホワイティング・ペトロリアム
原油価格は新型コロナウイルス感染拡大による需要減退や、主要産油国のロシアとサウジアラビアの増産方針を背景に年初の水準の約3分の1に沈んでいる。
ホワイティングはかつて、ノースダコタ州バッケン地域で最大のシェールオイル生産業者だった。この日、新株との交換などを条件に約22億ドルの債務削減で債権者と合意したことを明らかにした。既存株主は再編後の会社の株式3%を保有することになる。
今年の生産目標は原油換算で約4200万バレル。破産法適用申請後も通常の操業を続けるとしている。
破産法適用申請を受け、ホワイティングの株価は前日比44.5%安の0.37ドルで引けた。一時は0.33ドルまで下げた。
時価総額は米国がシェールブームで沸いた2011年にピークの150億ドルを付けたが、3200万ドルにしぼんでいる。昨年末時点でホワイティングの負債総額は28億ドル、保有現金残高は5億8500万ドル強だった。
FISアステック・アナリティクスのデータに基づくと、空売りのための同社の貸株残高は、発行済み株式の6割超を占めており、石油・ガス部門の上位に入っている。
アナリストらは今後数カ月にエネルギー部門でさらにデフォルト(債務不履行)が増えると予想する。フィッチ・レーティングスによると、ホワイティングの破綻を踏まえたエネルギー部門高利回り債の過去12カ月のデフォルト率は11%を超えており、年末には2017年1月に記録した19.7%を上回る可能性がある。
同業のチェサピーク・エナジー
サントラスト・ロビンソン・ ハンフリーのアナリスト、ニール・ディングマン氏は、ホワイティングの破産法申請は「一時的な解決策で、持続可能な長期計画とはいえない」と指摘。厳しいマクロ状況に加え、低めの操業度が数四半期続いたことが財務悪化につながったと分析した。
*内容を追加しました。
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