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米ISM製造業景気指数、4月は11年ぶり低水準 新型コロナで供給阻害

ロイター / 2020年5月2日 3時41分

米供給管理協会(ISM)が1日公表した4月の製造業景気指数は41.5と、前月の49.1から低下し、2009年4月以来の低水準を付けた。ワシントン州の飛行機工場。3月撮影(2020年 ロイター/David Ryder)

[ワシントン 1日 ロイター] - 米供給管理協会(ISM)が1日公表した4月の製造業景気指数は41.5と、前月の49.1から低下し、2009年4月以来の低水準を付けた。1カ月としての低下幅は08年10月以降で最大。新型コロナウイルスの感染拡大で供給網が阻害されたことが重しとなり、米経済が深刻な景気後退(リセッション)に陥りつつあるこが裏付けられた。

ただ、入荷遅延指数が76.0と、前月の65.0から上昇したことで、製造業景気指数は予想の36.9ほどは低下しなかった。指数は50が景気拡大・縮小の節目となる。

供給業者の納入にかかる時間が伸びることは、通常の状況下では消費者の需要増を反映していることが多く、経済にはプラス要因となる。ただ、新型ウイルス感染拡大抑制に向けロックダウン(都市封鎖)などの措置が実施されている現在のような状況下では、むしろ供給難が反映されている公算が大きい。

先行指標である新規受注指数は27.1と、42.2から低下し、08年12月以来の低水準を付けた。1カ月としての低下幅は1951年4月以降で最大。18の産業分野のうち、受注増を報告したのは紙製品、食料、飲料、たばこ製品のみだった。

雇用指数は27.5と、43.8から低下し、1949年2月以来の低水準を更新した。1カ月としての低下幅は1948年の統計開始以来最大。エコノミストは、8日に発表される4月の雇用統計で失業率は1982年11月に付けた戦後最悪の10.8%を上回ると予想しているが、こうした見方が裏付けられる結果となった。

受注残指数は37.8と、45.9から低下したほか、価格指数は35.3と、37.4から低下した。

ISMは、「新型ウイルス感染拡大、およびエネルギー市場で見られている価格低下により心理は明らかな影響を受けている」とし、短期的な見通しについて製造業者から「著しくマイナスの見解」が示されたとした。

オックスフォード・エコノミクス(ニューヨーク)の首席米国エコノミスト、オレン・クラチキン氏は「需要が世界的に崩壊する中、供給網は今もなお阻害されており、先行き不透明感は高止まりしている」とし、「製造業者は極めて深刻な状況に直面している」と指摘。「回復は21年まで望めない」とした。

MUFG(ニューヨーク)のチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は「今回の景気後退(リセッション)は過去に例を見ないスピードで進行したため、ISM製造業指数は米経済の先行きを占うに当たり、他の経済指標の後塵を拝した」と述べた。

米国では感染拡大抑制策により経済活動がほぼ停止。これまでに発表された主要経済指標では、商務省が発表した第1・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比4.8%減と、08年第4・四半期以来の大幅な落ち込みとなったほか、発表の3月の個人消費支出は、前月比7.5%減と、過去最大の落ち込みになった。

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