米ISM製造業景気指数、10月は予想超える低下 供給網制約が重し
ロイター / 2021年11月2日 2時37分
[ワシントン 1日 ロイター] - 米供給管理協会(ISM)が1日に発表した10月の製造業景気指数は60.8と、前月の61.1から低下し、予想の60.5を下回った。新規受注指数が1年4カ月ぶりの低水準になったほか、全ての業種で原材料調達にかかる時間が過去最長となり、供給網の制約が引き続き経済活動の重しになっていることが裏付けられた。
指数は50が景気拡大・縮小の節目となる。ISMは「製造業者と供給業者は需要増に対応するために、前例のない数のハードルに直面している」と指摘。小売在庫がなお低水準にある中、製品に対する需要は高く、製造業の好調さは継続すると見られている。
ただ、ムーディーズ・アナリティクスのシニアエコノミスト、ライアン・スイート氏は 「米国の供給網に対する圧力は軽減しておらず、短期的に経済成長率見通しに対する下方リスクになっているほか、インフレ見通しに対する上方リスクになっている」との見方を示した。
ISMによると、自動車業界が最も大きな痛手を受けており、半導体不足が解消しない中、利益率が高い車種の製造を優先させ、利益率が低い車種の製造を中止もしくは縮小したとの報告があった。
他の業種も影響を受けており、コンピューターや電子機器の製造業者は「中国からの調達はほぼ不可能」になっており「大幅な遅延」に直面していると報告。電気機器・部品メーカーは、需要は引き続き高いものの、供給網が目詰まりを起こしていることで生産が遅延していると報告した。
供給業者の納入を示す指数は75.6と、73.4から上昇。50を上回ると納入の遅れを意味する。
仕入れ価格指数は85.7と、81.2から上昇した。
新規受注指数は59.8と、66.7から低下し、2020年6月以来の低水準を付けた。
雇用指数は52.0と、50.2から上昇。10月に雇用増のペースが加速した可能性があることが示唆された。特にコンピューター、電子機器、組み立て金属製品、化学製品で増加した。
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