仏ルノー、EV新会社アンペアの上場計画に不透明感=消息筋
ロイター / 2023年11月1日 9時47分
仏自動車大手ルノーは、EVの需要不振や中国製EVとの競争激化、IPO市場の低迷により、設立を予定しているEV新会社「アンペア」の上場計画の見通しが不透明になっている。事情を知る消息筋4人が明らかにした。写真はルノーのロゴ。パリで6月撮影(2023年 ロイター/Gonzalo Fuentes)
Mathieu Rosemain Silvia Aloisi Pablo Mayo Cerqueiro
[パリ/ロンドン 31日 ロイター] - 仏自動車大手ルノーは、電気自動車(EV)の需要不振や中国製EVとの競争激化、新規株式公開(IPO)市場の低迷により、設立を予定しているEV新会社「アンペア」の上場計画の見通しが不透明になっている。事情を知る消息筋4人が明らかにした。
ルノーはEV事業を分離してアンペアを設立し、IPOを実施することでより大きな価値を引き出すことを狙っている。しかし2人の消息筋によると、ルノーはアンペアの企業価値の評価が最終的に70億ユーロを割り込む場合、IPOの実施を見送る公算が大きい。
消息筋の1人はルノーがIPOの見送りを決める企業価値の水準は60億ユーロ(63億3000万ドル)近くだとした。
複数の消息筋によると、アンペアの企業価値がこうした水準に達したとしても、IPOの市場環境によっては実施が困難になりそうだという。ルノーは当初、IPOを2023年下半期に実施する予定だったが、その後来年春に延期した。
欧州では物流サービスのDVKモビリティーやギアボックスメーカーのレンクなど複数の企業が最近、市場環境を理由にIPO計画を撤回した。
アナリストの間には以前からアンペアのIPO時の企業価値を最大100億ユーロとするルノーの見通しを疑う見方があり、ルノーは資金調達で別の選択肢を模索すべきだとの声もあった。
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