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米コロンビア大、警官隊が反イスラエルデモ参加者排除

ロイター / 2024年5月1日 12時43分

4月30日、米東部ニューヨーク市のコロンビア大学で、パレスチナ地区ガザでの戦闘を巡りイスラエルへの抗議活動を続けている学生らが、キャンパス内の一部建物を占拠した。写真は同大学で30日撮影(2024年 ロイター/Caitlin Ochs)

[ニューヨーク 30日 ロイター] - 米ニューヨーク市警の警官隊は30日夜、コロンビア大学の敷地に入り、構内の建物を占拠していたイスラエル政府に抗議するデモ参加者を拘束するなど強制排除した。

デモ参加者は1960年代に学生運動の舞台となったハミルトン・ホールと呼ばれる建物を30日早朝から占拠し、テーブルで入口をふさいでバリケードを作っていた。

ヘルメットをかぶった警官隊がハミルトン・ホールに進む様子がテレビで生中継された。警官隊ははしご車を使って建物の2階の窓から中に入り、約50人のデモ参加者を拘束、キャンパスの外の警察車両に誘導した。

建物の外では抗議活動をする人々が「パレスチナに自由を」、「学生を解放しろ」などと声を上げた。

大学当局はハミルトン・ホールを占拠した学生を停学にすると警告していた。

大学側は声明で「キャンパス内の混乱は多くのユダヤ人の学生や教員にとって脅威となる環境を作り出し、授業や学習、期末試験の準備を妨害している」としていた。

ニューヨーク市のエリック・アダムス市長と市警当局は、警官隊が構内に入る前に行われた会見で、ハミルトン・ホールの占拠はコロンビア大学とは何の関係もない「外部の扇動者」により行われたと指摘した。

一方、同大学に通うパレスチナ人留学生で抗議デモの学生リーダーの1人は、部外者が建物の占拠を始めたとの見方を否定し、抗議活動を行っているのは学生だ、とロイターに語った。

<全米の大学に波及>

コロンビア大では先週、キャンパス内でテントを張り、抗議デモを続けていた親パレスチナ派の学生ら100人超が逮捕された。29日にはテントの撤去に応じなかった学生の停学処分を開始し、対立が激化した。

デモの影響は全米の大学に広がっており、東部エール大では先週、抗議活動を行っていた学生約40人が逮捕された。西部カリフォルニア大学バークレー校でも学生が他大学の学生と連携してテントを設営する状況となっている。

こうした抗議活動に対しては、反ユダヤ的な増悪をあおっているとの批判も出ている。一方、ユダヤ人も含めて抗議活動を行う人々は、イスラエル政府を批判して人権保護を訴える自分たちが不当に反ユダヤ主義のレッテルを貼られていると主張している。

大学側は表現の自由とヘイトスピーチ根絶の間でバランスを取ることに苦慮している。

米ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は、「バイデン大統領はキャンパス内の建物の強制的占拠は間違ったアプローチで、平和的な抗議活動の例ではないと確信している」とコメントした。

国内だけでなく、欧州などでも拡大している大学での抗議活動の状況をホワイトハウスは注視しているとしたものの、現時点で州兵を連邦化し、事態の対応に向かわせるかについては検討されていないとした。

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