北朝鮮、トランプ氏勝利なら核協議再開の意向=元外交官
ロイター / 2024年8月1日 10時49分
8月1日、北朝鮮は11月の米大統領選でトランプ前大統領が勝利した場合、米国との核協議を再開したい意向で、新たな交渉戦略を練っているという。写真は2019年6月、板門店で会談するトランプ氏と金正恩氏(2024年 ロイター/Kevin Lamarque)
Hyonhee Shin
[ソウル 1日 ロイター] - 北朝鮮は11月の米大統領選でトランプ前大統領が勝利した場合、米国との核協議を再開したい意向で、新たな交渉戦略を練っているという。韓国に亡命した元北朝鮮外交官のリ・イルギュ氏がロイターに語った。
リ氏は在キューバ北朝鮮大使館で参事官を務めていた。昨年11月に韓国に亡命したと、各国のメディアが先月報じた。韓国に亡命した北朝鮮外交官としては2016年以降で最高位。
国際メディアとの初のインタビューで、北朝鮮はロシア、米国、日本を今年以降の外交政策の最優先課題としていると述べた。
ロシアとの関係を強化する一方で、トランプ氏が再選された場合、核協議再開を望んでいるという。
リ氏は北朝鮮の外交官がそのシナリオに向けた戦略を練っており、兵器プログラムに対する制裁とテロ支援国家指定の解除や、経済援助を引き出すことを目指していると語った。
北朝鮮は米国との対話の可能性を否定し、武力衝突を警告してきたが、リ氏の発言はそうした姿勢が一転する可能性を示唆している。
19年にベトナムで開催された米朝首脳会談は制裁を巡って決裂したが、リ李氏はその一因が「経験不足で無知な」軍司令官に核外交を託した金正恩朝鮮労働党総書記(当時は党委員長)の決断にあると指摘。
「金氏は国際関係や外交、あるいは戦略的判断の仕方についてあまり知らない」と語った。
「今回は外務省が確実に主導権を握るだろう。トランプ氏が再び4年間、何も与えずに北朝鮮の手足を縛るのはそう簡単なことではない」と述べた。
<ロシアとの関係・日本の援助>
北朝鮮はロシアと緊密な関係を築くことで、ミサイル技術や経済面で支援を受けた。しかしリ氏は、より大きな恩恵は追加制裁を阻止し、既存の制裁を弱体化させることだとし、米国に対する北朝鮮の交渉力が強まると指摘。
「ロシアは違法取引に手を染め、そのおかげで北朝鮮は制裁解除を米国に頼る必要がなくなった。ロシアは米国から重要な交渉材料を一つ奪ったということだ」と述べた。
リ氏によると、金氏はまた、日本人拉致被害者問題での譲歩と引き換えに経済援助を得る目的で、日朝首脳会談を模索するという。
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