英中銀次期副総裁にロンバルデリ氏、OECDチーフエコノミスト
ロイター / 2024年3月1日 13時20分
英政府は29日、イングランド銀行(BOE、中央銀行)の次期副総裁に経済協力開発機構(OECD)チーフエコノミストのクレア・ロンバルデリ氏を指名したと発表した。写真は英中銀の建物。ロンドンで昨年7月撮影(2024年 ロイター/Hollie Adams)
David Milliken Andy Bruce
[ロンドン 29日 ロイター] - 英政府は29日、イングランド銀行(BOE、中央銀行)の次期副総裁に経済協力開発機構(OECD)チーフエコノミストのクレア・ロンバルデリ氏を指名したと発表した。
金融政策担当副総裁のベン・ブロードベント氏の後任として7月1日に就任する予定で任期は5年。これによりBOEの金融政策委員会(MPC)は政策委員9人のうち5人が女性となり、1997年の設置以降で初めて女性委員の数が男性委員を上回ることになる。
ハント財務相は「クレア(ロンバルデリ氏)は国内外の金融経済情勢を追いかける任務に多大な経験を持ち込んでくれる」と期待感を示した。
ロンバルデリ氏は英財務省で5年間チーフエコノミストを務めた後、2023年5月にOECDへ転身していたが、キャリアの出発点はBOEだった。
投資銀行パンミュア・ゴードンのチーフエコノミスト、サイモン・フレンチ氏は、21年に英国が新型コロナウイルスのパンデミックから立ち直る過程で、多くの専門家がまだ物価上昇が一時的現象とみなしていた際に、いち早くインフレの危険を警告したのがロンバルデリ氏だったと指摘。金融政策運営姿勢は比較的タカ派で、それがBOEの見通しに反映される可能性があり、ごくわずかだが利下げのハードルを引き上げるのではないかとみている。
確かに最近のロンバルデリ氏の発言を聞くと、少なくとも物価上昇率が高止まりしている間は、利下げを容認しないかもしれない。
同氏は今月、米CNBCで「中央銀行は拙速に緩和せず、物価上昇率が目標に達する道筋にあるとより強く確信できるまで、引き締め的な政策スタンスを維持するのが正しい」とコメントしている。
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