米エヌビディアのファン氏、TSMC創業者がCEO打診も「10分」で断る
ロイター / 2024年12月2日 7時22分
半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の創業者である張忠謀(モリス・チャン)氏(写真)は、29日に発売された自伝で、米エヌビディアのジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)にTSMCのCEO職を打診したものの、わずか10分で断られたエピソードを明らかにした。台北で同日撮影(2024年 ロイター/ANN WANG)
Wen-Yee Lee
[台北 29日 ロイター] - 半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の創業者である張忠謀(モリス・チャン)氏(93)は、29日に発売された自伝で、米エヌビディアのジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)にTSMCのCEO職を打診したものの、わずか10分で断られたエピソードを明らかにした。
それによると、張氏は2013年に後継者を探していた際に、人柄や職歴、半導体の専門知識からファン氏を理想的な候補者と見込んだ。張氏は約10分にわたって、TSMCを巡る自身の期待を簡潔に説明。ファン氏はじっと耳を傾けていたものの「既に仕事がある」と答えた。
張氏は数週間後にファン氏に改めて打診したものの、ファン氏は固辞したという。張氏は、ファン氏が当時誠実に応答していたと述べ、ファン氏が話していた仕事とは「11年後にエヌビディアを現在の形に成長させることだった」と振り返った。
今回発売された張氏の自伝は、米テキサス・インスツルメンツでの25年間と、1987年のTSMC創業を回顧している。また、米アップルやクアルコムとの取引に加え、80年代にインテルにTSMCへの投資を要請したものの、断られたことを詳述している。
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