米先端技術の対中輸出、政府が規制強化を検討=関係筋
ロイター / 2020年4月2日 19時3分
4月2日、トランプ米政権は、中国が米国の先端技術を商業目的で取得し軍事転用するのを防ぐため、技術輸出規制の強化を進めている。写真はホワイトハウスで1日撮影(2020年 ロイター/TOM BRENNER)
[ニューヨーク/ワシントン 1日 ロイター] - トランプ米政権は、中国が米国の先端技術を商業目的で取得し軍事転用するのを防ぐため、技術輸出規制の強化を進めている。複数の関係筋がロイターに明らかにした。
中国企業による特定の光学素材やレーダー装置、半導体などの購入阻止につながる方策を盛り込んだ3つの措置で、政府当局者らが3月25日に合意したという。
これらの措置は最終的な詰めの段階には至っていないが、民間企業向けや非軍事目的であれば、特定の技術についてライセンスがなくても輸出を認める免除制度の廃止などが含まれる。この制度はFGPA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)集積回路などの輸出を容易にするものだが、中国の輸入業者や国民が廃止の対象になる。
ワシントンを拠点とする貿易分野の弁護士、ダグ・ジェイコブソン氏はこの措置の廃止について、電子機器セクターの企業など複数の顧客が懸念を示していると語った。
2つ目の措置は、デジタルオシロスコープや航空機エンジン、特定のコンピューターといった科学的装置などの製品について、中国軍が民間利用目的でもライセンスなしに輸入することをできなくする内容。導入されれば、病院で利用するなどの目的であっても中国軍への一部輸入が阻止される可能性がある。
3つ目は、外国企業が特定の米国製品を中国に輸出する場合に自国の政府だけでなく米政府からも承認を得ることを義務付ける。
ホワイトハウスと商務省はコメント要請に応じていない。
中国外務省の華春瑩報道官は2日の定例会見で、米政府が検討している規制強化についての質問に「中国は米国に対し、意図的な中傷をやめ、中国の政策を客観的にみて、両国間の協力に向けた一段の努力を求める」と述べた。
*内容を追加しました。
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