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中国の新たな法律がセクハラを成文化、告発運動に追い風

ロイター / 2020年6月2日 16時34分

6月2日、中国では2年前、中国中央テレビ(CCTV)の有名司会者によるセクハラをインターンだった女性が告発し、法律上は罪と規定されていなかったものの、セクハラ行為に女性が声を上げる「#MeToo(私も)」運動が勢い付いた。写真は北京の人民大会堂で5月撮影(2020年 ロイター/Carlos Garcia Rawlins)

[北京 2日 ロイター] - 中国では2年前、中国中央テレビ(CCTV)の有名司会者によるセクハラをインターンだった女性が告発し、法律上は罪と規定されていなかったものの、セクハラ行為に女性が声を上げる「#MeToo(私も)」運動が勢い付いた。

インターンだったZhou Xiaoxuanさんを含め、同運動の火付け役となった数十人の女性は先週、小さな勝利を収めた。全国人民代表大会(全人代=国会)で5月28日に可決された中国初の「民法典」にセクハラ行為の法的定義が盛り込まれたからだ。

セクハラの定義が法律に成文化されたのは概ね象徴的な動きだ。セクハラの予防と対処における学校や企業などの組織の責任が規定されたが、責任の履行に関する指針は含まれていない。

米イエール大学ロースクールのポール・ツァイ記念中国センターのシニア・フェロー、ダリウス・ロンガリノ氏は「民法典は大きな一歩だが、大いに肉付けが必要だ」と指摘。米国の#MeToo運動で明らかになった通り、「米国のセクハラ法でさえ、制定から数十年経った今も変容しており、法の不備に対処が必要になっている」とした。

それでもなお、一部の弁護士と活動家は、民法典によってセクハラが初めて、法律上の罪として国によって認識されたと指摘する。

民法典1010条は「他人の意思に反する性的嫌がらせを目的とする言論、言葉、イメージ、身体的行動」について加害者が責任を問われる可能性があるとしている。

ロイターが取材した6人の弁護士および活動家は、今回の動きは、セクハラ被害者による損害賠償請求を可能にするさらなる改革に道を開くかもしれないとの見方を示した。

中国で#MeTooの動きが広がったのは2018年で、北京の大学生が教授によるセクハラを告発したことがきっかけだった。

CCTVのインターンだったZhouさんが有名司会者の朱軍氏から2014年に受けたセクハラを告発したソーシャルメディアへの投稿は、最も注目を集めた告発の1つだ。

Zhouさんは「#MeTooの広がりが成文化の大きな原動力となった」と語り、性的被害にあった人の権利を守るためにさらなる対応が必要とされていると訴えた。

Zhouさんが2018年9月に提起した訴訟については、いまだに審理が行われていない。活動家らによると、#MeToo関連の訴訟の大半は未解決のままだ。

Zhouさんは、セクハラを法的措置の根拠にできなかったため、身体や健康に適用される権利を含む「人格権」を侵害されたとして訴訟を起こした。

中国で#MeTooは草の根的に広がったが、活動家らによると、政府の圧力や検閲に直面してきた。セクハラはなお、扱いが難しい問題だ。

国務院(内閣に相当)に圧力や検閲の有無についてコメントを求めたが、回答はなかった。

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