石油製品需要の伸び、コロナ禍前に回復せず=シティ・リサーチ
ロイター / 2020年7月3日 2時40分
シティ・リサーチは2日、世界的な石油製品需要の伸びは新型コロナウイルス感染拡大以前の水準に決して戻ることはなく、原油価格は長期的に1バレル=45─60ドルの範囲内にとどまるとの見方を示した。仏マルセイユ沖で撮影(2020年 ロイター/Jean-Paul Pelissier)
[2日 ロイター] - シティ・リサーチは2日、世界的な石油製品需要の伸びは新型コロナウイルス感染拡大以前の水準に決して戻ることはなく、原油価格は長期的に1バレル=45─60ドルの範囲内にとどまるとの見方を示した。
新型ウイルス拡大抑制に向けたロックダウン(都市封鎖)などの措置を受け、世界的な原油需要は急減。シティは「2年強分の需要の伸びが失われただけでなく、石油製品需要の世界的な総生産に対する弾力性は低下する」とした。
その上で、テレワークの普及を含む働き方の変化などを背景に、ジェット燃料需要は2023年まで19年の水準を回復しないと予想。石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」の大幅な協調減産などで短期的には供給が逼迫する可能性があるとしながらも、中期的には原油市場への供給は潤沢になるとの見方を示した。
その上で、新たな均衡価格は過去数年間に見られた水準よりも低くなるとし、「1バレル=100ドルという水準は幻想でしかなく、70ドルでさえも短期的なものになる」とし、原油価格の安定化は実現しないとの見方を示した。
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