米ＡＴ＆Ｔ、広告部門の売却を模索＝関係筋

　９月１日、米通信大手ＡＴ＆Ｔが広告部門「ザンダー（Ｘａｎｄｒ）」の売却を模索していることがわかった。写真はメキシコシティ で２０１７年９月撮影（２０２０年　ロイター／Edgard Garrido）

［１日　ロイター］ - 米通信大手ＡＴ＆Ｔ が広告部門「ザンダー（Ｘａｎｄｒ）」の売却を模索していることがわかった。事情に詳しい関係筋が明らかにした。

７月に就任したばかりのジョン・スタンキー最高経営責任者（ＣＥＯ）は、約１５２０億ドルに及ぶ負債の圧縮に向け、グループの資産見直しを行っている。

売却交渉は初期の段階にあり、必ずしも売却に至るとは限らない。同関係筋は、ＡＴ＆Ｔはアニメ配信サービス「クランチロール」は温存したい意向だとした。コンテンツ重視の戦略に沿うためという。

ＡＴ＆Ｔはコメントを控えた。

ＡＴ＆Ｔは２０１８年、「ザンダー」の前身となるインターネット広告企業の「ＡｐｐＮｅｘｕｓ」を１６億ドルで買収。テレビ視聴データなどを活用した広告を手掛ける「ザンダー」を創業した。

「ＡｐｐＮｅｘｕｓ」の元幹部で現在は別のネット広告企業を経営するアリ・パパロ氏は、「ザンダー」の企業規模が大きく、デジタル広告の規制に関する懸念も高まっていることから、現状では売却は極めて困難との見方を示した。