米EUの貿易摩擦終結を、バイデン氏就任後=欧州委
ロイター / 2020年12月3日 1時29分
欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会は2日、米国のバイデン次期大統領が来年1月に就任した際、「新たな大西洋の課題」の下で欧州と米国が通商紛争を解決するべきだと述べた。写真は2013年11月撮影(2020年 ロイター/Francois Lenoir)
[ブリュッセル 2日 ロイター] - 欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会は2日、米国のバイデン次期大統領が来年1月に就任した際、「新たな大西洋の課題」の下で欧州と米国が通商紛争を解決するべきだと述べた。
トランプ米大統領による4年間に及ぶ「米国第一」政策で、米国は国家安全保障を理由に欧州製品に関税をかけてきた。EUはバイデン氏が就任してからほぼ全ての課題について緊密な協調関係を築く姿勢だ。
欧州委はEUの各国政府に対する提案書で、米国とEUは「貿易摩擦を解消するために協力しなければならない」と述べた。EUと米国の貿易が世界の貿易量の3分の1を占めると指摘した。
ただ、ボレル外交安全保障上級代表が公表した12ページにおよぶ提案書は、「人間の尊厳と個人の権利、民主主義の原則に関して共有する価値観」を主張する以外は、どのように摩擦を解消するかについては言及していない。
ボレル氏は記者会見で「米国とは、合意できない際の手段である 世界貿易機関(WTO)を通すのではなく、友好的な合意があることが望ましい」と述べた。
EUの鉄鋼とアルミニウムに対する米国の関税に関してEUは異議を申し立てており、WTOの裁定を待っている。EUはWTOの紛争解決を待つのではなく米国と話し合うことを望むとボレル氏は述べた。
北大西洋条約機構(NATO)と同様にEUは2021年にバイデン氏と首脳会談を設けたい意向だ。EUは12月10日の首脳会談でEUのを話し合う。
EUと米国は、航空機の補助金を巡る紛争に関連し関税を互いに課している。EUのテクノロジー企業に対する課税計画を巡り、米国はEUに対して追加課税すると主張している。
EUと米国はWTOやその紛争処理機関に対する考え方が異なる。WTOは、最高裁の判事に当たる上級委員会の委員任命を米国が拒否していることに伴い、機能不全に陥っている。
EUは提案書で、第一歩はEUと米国がWTOの新たな事務局長を確定させ「上級委員会を改革することで必要不可欠な紛争処理機能を復帰させる方法を模索する」ことだと述べた。
欧州委はまた、EUと米国が大手テクノロジー企業の影響力に関して「大西洋対話」を始め、こうした企業に対する課税や「市場のひずみ」に対処する方法を見出すべきだと述べた。
そのほか、次世代通信網「5G」ネットワークやAI(人工知能)、データの流れ、規制と基準に関する協力を課題として挙げた。
この記事に関連するニュース
-
仏、今年は6%成長可能 米新政権と通商問題解決へ=財務相
ロイター / 2021年1月15日 1時44分
-
対EU関税の品目追加=航空機紛争で―米
時事通信 / 2021年1月12日 14時28分
-
米、フランス・ドイツ製航空機部品・ワインの追加関税を12日発動
ロイター / 2021年1月12日 11時54分
-
「これは米国ではない」 EU外交代表が米混乱に嘆き
産経ニュース / 2021年1月7日 8時14分
-
EU、バイデン新政権に期待 航空機補助金巡る係争解消へ
ロイター / 2021年1月1日 4時41分
ランキング
-
1希望退職に729人が応募 セガサミー
共同通信 / 2021年1月15日 18時11分
-
2携帯料金値下げ戦争! KDDI がドコモやSBより500円安く それでも「ガッカリ」とため息が出るわけは?
J-CAST会社ウォッチ / 2021年1月13日 18時45分
-
3静岡の製紙会社が更生法=負債140億円―商工リサーチ
時事通信 / 2021年1月15日 21時41分
-
4大学運営や受験産業に影響大 日本の「難関」大学が減る理由
ITmedia ビジネスオンライン / 2021年1月16日 6時30分
-
5苗場プリンスで従業員の感染拡大、ホテルとスキー場を臨時休業
読売新聞 / 2021年1月16日 7時57分