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中国不動産株式・債券が下落、陽光城の債券交換提案受け

ロイター / 2021年11月2日 18時40分

2日の取引で中国不動産デベロッパーの株式と債券が下落した。写真は9月26日、深セン市の本社で撮影(2021年 ロイター/Aly Song)

[上海 2日 ロイター] - 2日の取引で中国不動産デベロッパーの株式と債券が下落した。陽光城集団(ヤンゴー・グループ)が債券の交換を提案したことを受け、金融危機を巡る懸念が悪化した。

関係筋によると、陽光城は今月償還が可能な人民元建て資産担保証券(ABS)の支払い延期を巡り投資家と協議している。利子を全額支払い、元本は1年ロールオーバーする計画という。ロイターは同社が月内に同証券の元本を支払う予定かどうか確認できていない。

陽光城は1日、同社の米ドル債の一部を現金と新発債の組み合わせと交換する案を債権者に示したと明らかにした。新たに発行する債券には、創業者の保証を付ける。流動性を改善し、デフォルト(債務不履行)を回避することが目的で、残る米ドル債についても条件変更に向け債権者の同意取り付けを目指している。

格付け会社のフィッチ・レーティングスは2日、これをディストレス債の交換と見なすとして、陽光城の格付けを「B-」から「C」に引き下げた。ムーディーズ・インベスターズ・サービスもこれより先に、流動性リスクから陽光城の格付け(コーポレート・ファミリー・レーティング)を「B2」から「Caa2」に引き下げた。

ムーディーズは「陽光城は期限を迎える債務の返済に全てのキャッシュ保有を動員できない可能性がある。大半がプロジェクト会社に属しているためだ。さらに、合弁企業に対する陽光城のエクスポージャーは大きく、キャッシュフローの管理能力が制限される可能性がある」とした。

国内の格付け機関、中誠信国際は陽光城を格下げの可能性があるウォッチリストに入れたほか、大公国際資信評価は1日、債務返済資金を巡る不透明感を背景に陽光城の見通しをネガティブに引き下げた。

陽光城からは今のところコメントを得られていない。

香港の本土不動産株は一時4%超下落した。10月22日に付けた直近の高値からは約17%下げている。CSI300不動産A株指数は2.4%安、陽光城の株価は一時9%安となった。

陽光城の債券は2日連続で急落。デュレーション・ファイナンスによると、2024年3月償還債は約58%下落し1ドル当たり0.13ドル以下。利回りは160%近くとなった。深セン市場で取引されている24年4月償還債は20%以上下落し売買が停止された。

中国恒大集団傘下のシーナリー・ジャーニーが発行した22年11月償還債と23年11月償還債は、今週の8250万ドルの利払いを前に12%超下落し、額面の約20%となった。

禹洲地産股分(ウシュウ・グループ・ホールディングス)、融信中国控股(ロンシャイン・チャイナ・ホールディングス)、正栄地産集団(ジェンロ・プロパティズ・グループ)の債券も10%超値下がりした。

アベニュー・アセット・マネジメント(香港)の債券ポートフォリオ・マネジャー、クラレンス・タム氏は陽光城が債券の交換を提案したことが市場の心理を暗くしたと述べた。債券の価値が下がったため、一部でレバレッジ商品は持ち高解消を余儀なくされ、下落に拍車がかかったとの見方を示した。

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