日韓財務相、連携強化へ財務対話再開で合意 鈴木財務相が表明
ロイター / 2023年5月2日 12時37分
鈴木俊一財務相は2日、韓国・仁川で秋慶鎬・企画財政相と会談を行った。写真は、会談で握手する鈴木財務相(右)と秋慶鎬・企画財政相。2023年5月2日に韓国・仁川で撮影。(2023年 ロイター/Kim Hong-Ji)
[仁川(韓国) 2日 ロイター] - 韓国・仁川を訪問している鈴木俊一財務相は2日、韓国の秋慶鎬・経済副首相兼企画財政相と会談した。会談では日韓両国の緊密な連携を確認し、経済・金融分野で幅広く議論する「財務対話」を再開することで合意した。鈴木財務相が会談後に明らかにした。
日韓財務相の会談は2016年8月以来、約7年ぶり。財務相会談に先立ち、日韓首脳が今年3月に関係正常化に合意したことを踏まえ、会談の場を設けた。鈴木財務相は会談の冒頭、「7年ぶりにバイ(二国間)の会談を行うことができ、大変嬉しく思う」と語った。
鈴木財務相は「世界経済・地域および国際社会におけるさまざまな課題に協力していくべき重要な隣国同士」との認識を示し、日韓が協力して国際社会の課題に対処していくことを確認。日韓財務当局間でより緊密な連携を図っていくため、「適切なタイミングで大臣級の財務対話を開催することに合意した」と会談後、現地で記者団に表明した。
一方、財務対話を再開するタイミングについては「今の段階で決め打ち的なタイミングはない」と明言を避けた。
会談では、地政学リスクを巡って「北朝鮮の核ミサイル開発、ロシアによるウクライナ侵略といったものが現実に起こっている。これは断じて許されることではなく、両国が協力して対処していく必要がある」とする日本の立場も伝えた。
これに対し、韓国の秋財政相は、地政学リスクやサプライチェーン問題での協力に加え、供給不足が深刻化する半導体や、バッテリーなどのハイテク分野での協力強化に言及。輸出手続きを簡略化する「グループA(ホワイト国)」への再指定手続きが早急に進むことを望む、との考えを日本側に伝えた。
日韓両国の財務対話を通じて「両国関係の発展を期待する」との考えも共有した。
<強い警戒心もって注視>
鈴木財務相は、経営破綻した米中堅銀ファースト・リパブリック・バンクについても言及し、「直接コメントする立場にない」と断ったうえで「米国当局は信用不安を再燃させないための取り組みを迅速に講じたものであると受け止めている」と語った。
国内外の経済・金融市場の動向や金融システムの安定性に与える影響などについて「引き続き、強い警戒心をもって注視していく」との考えも述べた。
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