南ア、財政赤字予測を上方修正 税制改革提案へ

　１１月１日、南アフリカ政府は中間予算見直しを議会に提出した。写真はゴドングワーナ財務相。１日、ケープタウンで撮影（２０２３年　ロイター/Esa Alexander）

Kopano Gumbi　Anait Miridzhanian　Wendell Roelf

［ケープタウン　１日　ロイター］ - 南アフリカ政府は１日、中間予算見直しを議会に提出した。鉱業収入の減少で圧迫されている財政の安定化に向け、ゴドングワーナ財務相が来年、税制改革を提案する。

今後３年の財政赤字予測を上方修正した。今年度（２０２３／２４年度）の歳入は２月時点の見込みを５６８億ランド（３０億４０００万ドル）下回る見通し。

財務省は歳出削減、節度ある税制措置、公的機関の統廃合による効率化に取り組むと表明。

「必要な財政健全化の規模を考慮し、財務相が２０２４／２５年度の歳入を追加で１５０億ランド増やすための税制措置を２４年予算で提案する」と述べた。具体的にどのような税制措置を想定しているかは明らかにしていない。

ゴールドマン・サックスのエコノミスト、アンドリュー・マシーニー氏によると、予算の予測が市場予想を上回ったため、南アフリカランドと国債が上昇した。

同氏は「歳出主導で財政健全化を強化するというのが全体的なメッセージだ」と述べた。

南アフリカの２３年の経済成長予測は０．８％。２月時点の予測は０．９％だった。昨年の実績は１．９％。

経済成長を大きく圧迫しているのが国営企業。国営電力会社のエスコムが過去最大規模の計画停電を実施しているほか、鉄道貨物・港湾管理・パイプライン輸送を手がけるトランスネットも商品輸出を圧迫する要因になっている。

ゴドングワーナ財務相は１日、ロイターに対し、救済を要請しているトランスネットの問題について長期的な解決策の策定に取り組んでいることを明らかにしたが、具体的な金融支援額は明言しなかった。

２３／２４年度の財政赤字は国内総生産（ＧＤＰ）比４．９％と、２月時点の予測である４．０％を上回る見通し。２４／２５年度は４．６％、２５／２６年度は４．２％。いずれも従来予想を上回った。

負債はグロスで２３／２４年度の５兆２４００億ランドから、２６／２７年度には６兆５２００億ランドに増加する見込み。対ＧＤＰ比は２５／２６年度に７７．７％で安定する見通し。２月時点の予測は７３．６％だった。