ウクライナ、今冬のガス貯蔵量60%引き上げへ
ロイター / 2024年5月2日 12時51分
ウクライナ国営ガス会社ナフトガスのチェルニショフ最高経営責任者(CEO)は、外国企業と貿易業者に供給するガスについて、今冬は前年比60%増の約40億立方メートルを貯蔵したい意向を示した。写真はウクライナ首都キーウでロイターの取材に応じるチェルニショフ氏で2023年9月に撮影(2024年 ロイター/Ivan Lyubysh-Kirdey)
Pavel Polityuk Olena Harmash
[キーウ 1日 ロイター] - ウクライナ国営ガス会社ナフトガスのチェルニショフ最高経営責任者(CEO)は、外国企業と貿易業者に供給するガスについて、今冬は前年比60%増の約40億立方メートルを貯蔵したい意向を示した。
ロシアによるウクライナ侵攻を受け、欧州はロシア産ガス輸入を削減した。ウクライナがガスを貯蔵することで、欧州への供給に柔軟に対応できる上、ウクライナの収益確保につながる。
チェルニショフCEOはロイターに対し、ナフトガスのエネルギー施設は3月以降、5回もロシアからの攻撃を受けたと説明。地下貯蔵施設は被害を受けていないが、生産施設は陸上にあり、より攻撃を受けやすいことから、防衛体制を強化していると述べた。
地下貯蔵施設は、大半がウクライナ西部にあり、貯蔵能力は310億立方メートル。これは、ウクライナの年間ガス消費を十分に賄える水準。欧州から供給される余剰分のガスを貯蔵し、北半球で需要がピークに達する冬場に放出できる。
チェルニショフ氏は、ガス貯蔵契約で外国の貿易業者と約100件の契約を締結したと話した。ロシアは、ウクライナとの契約で、同国経由での欧州向けガス供給を続けているが、この契約は今年12月に期限切れになる。ウクライナは、契約更新する予定はないとしている。
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