ECB次回利下げ決定は比較的容易、ベルギー中銀総裁が見解維持
ロイター / 2024年7月2日 15時12分
欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのウンシュ・ベルギー中銀総裁は1日、ロイターのインタビューに応じ、ECBによる次回の利下げは依然として比較的容易に決められるとしつつ、その後の利下げはインフレ率が2%目標に向かっていることが明らかな場合に限るべきとの考えを示した。写真はECBのビル。ドイツ・フランクフルトで6月撮影。(2024年 ロイター/Wolfgang Rattay/File Photo)
Balazs Koranyi
[シントラ(ポルトガル) 2日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのウンシュ・ベルギー中銀総裁は1日、ロイターのインタビューに応じ、ECBによる次回の利下げは依然として比較的容易に決められるとしつつ、その後の利下げはインフレ率が2%目標に向かっていることが明らかな場合に限るべきとの考えを示した。
ECBは6月に利下げしたが、インフレ率はなお高過ぎで目標達成に確信が持てないとして、さらなる行動については明言しなかった。
ウンシュ氏は当時、最初の2回の利下げは容易な決定だと既に述べている。最近の指標で賃金とサービス価格によるインフレ圧力が根強いことが示されているものの、この見解を維持し続けた形だ。
「大きなネガティブサプライズがなければ、われわれの予想に基づけば2回目の利下げ余地はあると言える」と指摘。「予測から少し外れたとしてもこの見方が劇的に変わることはないだろう」と述べた。
2回目の利下げは緊急を要するものではなく、ECBは次回の予測が発表される9月まで待つことも可能と指摘。ただ「新たな予測が示される会合を待つことにはおそらく利点があるだろうが、私はそれを条件にはしない」とも語った。
「利下げを続けるにはインフレ率が2.5%から2%近くまで下がるという確信がさらに必要だ」とし、「実質スポットレートを1%以下に下げたいのか。そこがわたしにとって多少難しいところだ」と述べた。
数年にわたる過剰歳出により痛みを伴う財政政策が必要な国が複数あるとし、政治的混乱がさらに拡大する恐れがあると指摘した。
「欧州全体では現在5カ国が過剰な赤字状態にある」とし、「5カ国とも容易なことではない。赤字削減が容易になるとは決して予想していなかった」と語った。
一方で、政治的ストレスが金融市場に影響を及ぼした場合にECBが緊急債券購入制度を利用するという見方は否定した。
「われわれが行うことに何らかの自動性や制限、あるいは厳しい制約があるというシグナルを市場に送らないことが非常に重要だ」と述べた。
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