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アングル:日経平均が意外高、トランプ相場先取りか 持続性には不透明感

ロイター / 2024年7月2日 18時56分

7月2日の東京株式市場では日経平均が意外高を演じた。写真は都内の株価ボード。2009年3月撮影(2024年 ロイター/Yuriko Nakao)

Hiroko Hamada Mayu Sakoda

[東京 2日 ロイター] - 2日の東京株式市場では日経平均が意外高を演じた。最近の急ピッチな上昇を受けて利益確定の売りが優勢になるとの事前予想とは逆に強さを見せ、心理的節目の4万円をあっさり回復した。市場関係者の間では、「トランプ相場」を先取りした動き、との声が聞かれた。ただ、11月の米大統領選まではまだ時間があるため、株高の持続性を巡っては選挙の行方と同様に不透明感がつきまとう。

この日の業種別上昇率上位には、銀行や保険といった金融株や、鉱業、石油・石炭製品などが並んだ。

松井証券のシニア・マーケットアナリスト、窪田朋一郎氏は「テレビ討論会以降、トランプ・ラリーを織り込む動きがみられる」と指摘する。6月27日(米国時間)に行われた米大統領選のテレビ討論会以降、市場ではトランプ前大統優位との見方が広がっている。

討論会は日本時間ではちょうど、6月28日の取引時間中だった。前日27日終値から7月2日終値までの値動きをみると、TOPIXの騰落率は2.2%高。一方、鉱業は5.7%高、石油・石炭製品4.9%高、銀行5.8%高、保険8.7%高と、TOPIXのパフォーマンスを大きく上回った。

トランプ氏が5月の米石油会社首脳らとの会合で、バイデン政権の環境規制や政策の多くを破棄すると明言したと米紙ワシントン・ポストが報じるなど「トランプ氏有利となれば、資源株に思惑が出やすい」(国内運用会社のファンドマネージャー)との見方がある。

個別では三菱重工業が6.9%高、川崎重工業が2.3%高となるなど、いわゆる防衛関連銘柄もしっかりで、地政学リスクの高まりを意識した物色もみられる。

<潜在的な米金利高要因>

フィリップ証券のアナリスト、笹木和弘氏は、トランプ氏の再選をにらんで米長期金利が上昇し、ドル高・円安基調が続くとの思惑が広がっているとし「日銀の追加利上げも意識され、保険や銀行など金融株の物色につながった」と指摘している。

足元では米国のインフレが落ち着き、米連邦準備理事会(FRB)が年内に2回利下げを行うとの見方がマーケットでは広がっているものの、来年以降は状況が変わる可能性も高まっているという。

「トランプ氏が再び大統領に就任すれば移民規制が強まり、いわゆる低賃金の労働者不足に陥りやすい。その場合、雇用の面でインフレが高まるのではないか」(笹木氏)という。そうなれば米金利の上昇基調は継続し、金融株に追い風となり得る、との見方もできる。

<イメージ先行か>

2016年にトランプ氏が初当選した際は、直後にいったん株価は下落したが、その後に急騰しており、いわゆる「トランプ・ラリー」の再来を期待する向きもあるという。松井証券の窪田氏は「トランプ氏当選=株高といったイメージを持つ投資家は多いのではないか。当時も金利の上昇局面だったため、デジャブ(既視感)と捉えやすくなっている」と話す。

もっとも、日経平均は4万円台に上昇し、4―6月のレンジを上回って上昇していることに加え、大統領選までは距離があり「本気で織り込むにはまだ早すぎる」(国内証券のアナリスト)との見方は根強い。「根拠のない思惑先行の上昇なら、反動売りも出やすい」(国内運用会社のファンドマネージャー)とみられており、米大統領選にかけては曲折が続きそうだ。

(浜田寛子、佐古田麻優 編集:橋本浩)

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