米はディスインフレの道に、利下げ前に一段のデータ必要=FRB議長
ロイター / 2024年7月3日 2時16分
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長(写真)は2日、ポルトガルで開催された欧州中央銀行(ECB)主催の会合で、FRBは利下げに着手する前にインフレ鈍化に関する一段のデータを確認する必要があるという見解を示した。6月撮影(2024年 ロイター/Evelyn Hockstein)
Balazs Koranyi Howard Schneider
[シントラ(ポルトガル) 2日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は2日、ポルトガルで開催された欧州中央銀行(ECB)主催の会合で、米国は「ディスインフレの道」に戻ったものの、FRBは利下げに着手する前にインフレが鈍化しているとの「確信を持ちたい」とし、一段のデータを確認する必要があるという見解を示した。
パウエル議長は、最近発表された米指標が「ディスインフレの道に戻りつつあることを示唆している」という認識を示した上で、「われわれが現在確認している水準が基調的なインフレの実状を正確に示しているかどうか理解したい」と述べた
さらに、政策の緩和を始める前にインフレが2%に向けて持続的に低下しているという「一層の確信を持ちたい」とし、「率直に言って米経済は好調なため、時間をかけて対応できる」とした。
利下げに踏み切る可能性のある時期については言及しなかったものの、FRBの物価安定と雇用の最大化という2つの責務に対するリスクが「かなり均衡しつつある」とし、金融政策の舵取りが微妙な段階に差しかかっていると認めた。
「われわれは政策が制約的で、それが適切と考えている」という認識も示した。
雇用関連指標の一部が、インフレ面でのさらなる進展が失業率上昇との「トレードオフ」を伴う状況に近づいている可能性を示唆していることにも言及。議長は「それを正確に知ることはできない」としつつも「両面のリスクがあることは理解されている」とし、「経済の強さを考えると、この問題には慎重に取り組むことができる」と述べた。ただ、金融政策担当者は長期にわたる引き締め政策継続によって「景気拡大を失う」ことは望んでいないと強調した。
インフレについては、2025年半ばまでに「持続的に基調インフレが2─2.5%に達する」と予想し、目標の2%に回帰するのは来年終盤もしくは26年となる公算が大きいという見通しを示した。
また、11月の米大統領選で共和党のトランプ前大統領が返り咲きを果たした場合、FRBの独立性が脅かされる可能性については、連邦議会で民主、共和両政党からの「FRBの独立性に対する支持は非常に高いと考えている」と応じた。
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