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FRB流動性調節手段の資金フローに「異変」 QT軌道修正必要か

ロイター / 2024年10月2日 9時56分

 10月1日、米連邦準備理事会(FRB)による短期金融市場の流動性調節手段で資金フローにやや「異変」があり、今後のバランスシート圧縮(量的引き締め=QT)方針の軌道修正を迫られるのではないかとの見方が出ている。米首都ワシントンで2022年撮影(2024年 ロイター/Sarah Silbiger)

Michael S. Derby

[ニューヨーク 1日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)による短期金融市場の流動性調節手段で資金フローにやや「異変」があり、今後のバランスシート圧縮(量的引き締め=QT)方針の軌道修正を迫られるのではないかとの見方が出ている。

FRBが1日発表したリバースレポの残高は、6月末以来の高水準となった9月30日の4656億ドルから3752億ドルに減少した。一方、9月30日に26億ドルに膨らんでいた常設レポ・ファシリティー(SRF)残高はゼロに戻った。

リバースレポのこうした変動は完全に予想されていた。主な利用者であるマネー・マーケット・ファンド(MMF)は四半期末に資金をリバースレポに振り向けるのは長年決まったパターンとなっている。ただ9月30日にSRFの残高が膨らんだのはそれほど想定されなかった出来事だ。

2021年に創設されたSRFは、一定の要件を満たした金融機関からFRBが米国債などを担保として受け入れる代わりに、レポ取引の形で短期資金を供給する制度。これまでの利用は「お試し」程度に終始していたが、9月30日は初めて本格的に使われたとみられている。

ライトソンICAPのアナリストチームは顧客に「これは良いニュースと悪いニュースの両方が含まれている」と解説。好材料はSRFがついに本格利用されたこと、悪材料は適用金利が5%とこの時の市場実勢よりも低くなり、レポ金利の「事実上の上限」という機能を果たせなかった点だと述べた。

短期市場トレーディングを手がけるカーバチュア・セキュリティーズを率いるスコット・スカイルム氏は、SRFが短期金利急騰を抑制できなかった事態は、2018年と19年の市場不安定化が19年9月のレポ取引大混乱につながったことを思い起こさせると指摘した。

SRFが金利の上限にならなかった原因の一つとしてスカイルム氏が挙げたのは、タイミングの悪さ。トレーダーや投資家は午前中に資金を確保したがるが、SRFが実施されるのは午後早くで、既に資金調達側が苦境に置かれているという。

一方バークレイズ・キャピタルのアナリストチームはSRF残高の急増について、FRBのQTプロセスに直接重くのしかかる問題になりかねないと予想。「多くの尺度に照らせば資金需要は19年のレベルを超えており、準備金がなお潤沢にあるとしても、FRBは想定より早めにQTを終わらせる必要がある可能性を示唆している」と分析した。

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