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情報BOX:討論会ファクトチェック、ウォルズ氏ほぼ正確 バンス氏一部疑問

ロイター / 2024年10月2日 19時0分

10月1日、11月の米大統領選に向け、副大統領候補によるテレビ討論会が開かれた。写真は討論会で握手する民主党候補のウォルズ・ミネソタ州知事(右)と共和党候補のバンス上院議員。ニューヨークで撮影(2024年 ロイター/Mike Segar)

Reuters Fact Check

[1日 ロイター] - 11月の米大統領選に向け、副大統領候補によるテレビ討論会が1日、開かれた。ロイターは、より広範な公の議論の一部を成し、信頼できる証拠によって評価できるテーマや話について、民主党候補のウォルズ・ミネソタ州知事と共和党候補のバンス上院議員の各6つの主張についてファクトチェック(事実確認・検証)を行った。

●民主党:ウォルズ氏

◎主張1「米国はかつてないほど多くの天然ガスと石油を生産している」

ファクトチェック:ほぼ事実。2024年3月、エネルギー情報局(EIA)は米国が6年連続で「どの国よりも多くの原油を生産している」と述べた。23年の生産量は日量平均1290万バレルだった。

◎主張2「ドナルド・トランプは過去15年中10年間、そして大統領として最後の1年、連邦税を払っていない」

ファクトチェック:入手可能な情報に基づくとほぼ事実。20年に米紙ニューヨーク・タイムズは、17年以降の確定申告データを分析したところ、トランプ氏が過去15年間のうち10年間、所得税を納付していなかったと報じた。

22年に米下院歳入委員会はトランプ氏の15年から20年までの納税申告書を公開し、同氏が大統領任期の最終年に所得税を支払っていなかったことを示した。

◎主張3「(ミネソタ州の児童向け税額控除について)子どもの貧困を3分の1減らす」

ファクトチェック:真偽不明。コロンビア大学貧困・社会政策センターの分析に基づき、23年の低・中所得世帯向け児童税額控除プログラムは、ミネソタ州の子どもの貧困を3分の1削減すると予測されている。ただ同州で子どもの貧困が3分の1減ったか検証した報告書は発表されていない。

◎主張4「ミネソタ州は医療で第1位」

ファクトチェック:参照する情報・データによる。金融情報サイト、ウォレットハブが24年7月に発表したデータに基づくと正しい。ウォルズ氏も以前、ミネソタ州知事としてこのデータを引用した。

ウォレットハブでは、医療費の安さ、人口当たりの診療所数の多さ、公立病院システムの質、救急外来の待ち時間の少なさなどでミネソタ州を最上位にランク付けした。フォーブス誌の分析でもミネソタ州が首位だった。他のランキングでは評価方法が異なっている。

◎主張5「(ミネソタ州の主要都市)ミネアポリスはインフレ率が最も低い」

ファクトチェック:過去1年半の特定の時期に関してはおおむね事実。米労働省の都市圏別インフレ統計で、ミネアポリス・セントポール地域は、23年5月と7月、24年3月が消費者物価の前年比上昇率が国内最低だった。

◎主張6「トランプは、米国の対中貿易赤字を史上最大にした」

ファクトチェック:事実。米国の対中貿易赤字は、トランプ政権2年目に過去最大を記録した。

●共和党:バンス氏

◎主張1「(イランは)カマラ・ハリス氏の運営により非凍結資産1000億ドル以上を受け取った」

ファクトチェック:これは込み入った経緯がある。23年8月、バイデン大統領は、韓国で凍結されていた60億ドルのイラン資金の凍結解除を含む、米・イラン間の囚人交換取引を承認した。

23年10月7日にイスラム組織ハマスがイスラエルを攻撃した5日後、米政権はカタールの銀行に保管されている資金にイランがすぐにアクセスできることはなく、ワシントンは資金を凍結する権利を保持すると発表した。

その一方でバイデン大統領は、トランプ政権中に離脱した15年イラン核合意の復活を模索していた。米政府高官は15年、イランが合意を履行すれば1000億ドルの凍結資産にアクセスできるようになると述べていた。

◎主張2「直近で大統領在任中に大きな紛争を起こさなかったのはいつか?答えはドナルド・トランプ氏が大統領だった4年間だけだ」

ファクトチェック:背景説明が必要。1945年以降、オバマ氏までの歴代大統領とともにトランプ氏も、米国を正式に新たな戦争に巻き込まなかった。

しかし、トランプ氏の大統領就任は、軍事的敵対行為と新たな戦争のリスクを伴うものだった。同氏は17年の国連総会での演説で北朝鮮を「完全に破壊する」と表明。同年にはシリア内戦に事実上の介入をした。20年には、イラン革命防衛隊のコッズ部隊司令官だったソレイマニ将軍の殺害を指示した。

◎主張3「米国は世界で最もクリーンな経済」

ファクトチェック:事実ではない。欧州連合(EU)の24年版「Emissions Database for Global Atmospheric Research」によると、23年の温室効果ガスの排出量で米国は中国に次ぐ世界2位だった。

24年の世界経済フォーラムの報告によると、クリーンエネルギー移行に向けた実績と態勢の指標である「世界平均エネルギー移行指数」で米国は19位だった。

◎主張4(温室効果ガス排出対策に関する議論で)「(ハリス氏の政策は)中国のエネルギー生産を増やし、海外での生産を拡大させた」

ファクトチェック:バンス氏は、クリーンエネルギー分野の雇用や電気自動車(EV)普及などに向けた施策を盛り込んだ22年インフレ抑制法(IRA)に言及したとみられる。

IRAが米製造業に与える影響はまだ把握できる段階にないが、国内のクリーンエネルギー製造業に恩恵をもたらしているという調査結果もある。

◎主張5「トランプ氏の経済政策は、現世代で最も高い手取り収入をもたらした」

ファクトチェック:事実。米国の世帯収入(中央値)は、トランプ政権下の19年に18年比6.8%増の6万8703ドルと、米国国勢調査局が67年に統計を取り始めて以来、過去最高となった。大統領経済諮問委員会(CEA)は当時、労働者数の増加が所得増加を牽引したとし、「19年は、就労者が18年から220万人増加し、年間を通じてフルタイムで働く人が120万人増加した」と述べている。

◎主張6「この国で起きている銃乱射事件の大部分、私が見た統計では90%近くが違法に入手された銃器によるものである」

ファクトチェック:誤解を招く主張。司法省傘下の国立司法研究所が支援した調査によれば、1966ー2019年の間に起きた銃乱射事件(4人以上の死者を出した事件)のほとんどは、合法的に入手した銃によるものだった。データによれば、「銃乱射事件を起こした者の77%が、少なくとも一部の銃を合法的に購入していた」とし、違法に購入された銃器による事件は13%だった。

アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局(ATF)の23年の報告書によると、17年から21年の間に犯罪に使用された140万丁以上の銃は連邦銃器ライセンスを持つ者が購入しており、購入先の99%はディーラー、質屋、製造業者だった。ただ報告書は「最初は小売販売でも、その後、何人かの人に渡り、その過程で盗難など銃取引規制に違反する事案が起きている可能性がある」と指摘している。

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