マスク氏、保守系団体に献金 トランプ氏支持表明前から＝関係者

　１０月２日、米実業家イーロン・マスク氏が、数年前から保守系政治団体に献金をしていたことが、事情に詳しい４人の関係者の話で明らかになった。ビバリーヒルズで５月６日撮影（２０２４年　ロイター/David Swanson）

Alexandra Ulmer　Rachael Levy

［２日　ロイター］ - 米実業家イーロン・マスク氏が、数年前から保守系政治団体に献金をしていたことが、事情に詳しい４人の関係者の話で明らかになった。今年７月に大統領選共和党候補のトランプ前大統領支持を表明する前から、右派の主張を金銭面でひそかに支えていた構図がうかがえる。

関係者２人がロイターに語ったところでは、マスク氏は２０２２年に「ビルディング・アメリカズ・フューチャー」と呼ばれる団体に献金を始めた。金額は数百万ドルに上り、バイデン政権や左派の政治姿勢を批判するこの団体の広告やソーシャルメディアを通じた活動に弾みを付ける役割を果たした。

ロイターは正確な献金額や献金の時期、マスク氏とビルディング・アメリカズ・フューチャーとの金銭的な関係を裏付ける文書などを確かめることはできなかった。

米紙ウォールストリート・ジャーナルは２日、マスク氏が別の共和党支持派の団体に資金を提供したと伝えている。

マスク氏にはコメント要請の電子メールを送ったが回答はない。ビルディング・アメリカズ・フューチャーの広報担当者からも回答はなかった。

トランプ氏支持を打ち出すまでマスク氏は長年、民主党と共和党のどちらの肩を持つのか明確にするのを避けてきた。今年３月の時点でさえ、ソーシャルメディアに「ここではっきりさせておく。私はどちらの大統領選候補にも献金するつもりはない」と投稿していた。

しかしビルディング・アメリカズ・フューチャーへの献金からは、以前からマスク氏が資金提供という形で右派を応援していたことがうかがえる。

ビルディング・アメリカズ・フューチャーは非営利の政治団体で、連邦法の規定では金銭的な支援者を開示する義務はない。