米中首脳が電話会談、台湾・ウクライナ情勢や貿易慣行巡り協議
ロイター / 2024年4月3日 8時10分
[ワシントン 2日 ロイター] - バイデン米大統領と中国の習近平国家主席は2日、電話会談した。昨年11月に行った対面での会談以降初めて。台湾や南シナ海の問題などを巡り協議したほか、バイデン氏は中国の経済・貿易慣行に対する懸念を表明した。
ホワイトハウスによると、バイデン氏は「台湾海峡の平和と安定、および南シナ海における法の支配と航行の自由の維持の重要性」を強調した。5月の台湾新総統就任式に向け、緊張を緩和させる狙いがあるとみられる。
一方、新華社によると、習氏は米中関係が安定し始めているとしながらも「紛争や対立に陥る可能性がある」と指摘。また米国に対し「『台湾独立』を支持しないというバイデン氏のコミット」を具体的な行動に移すよう要請した。
米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は電話会談後の記者会見で、ブリンケン国務長官が数週間内に中国を訪問すると明らかにした。また、約2時間に及んだ電話会談について「実務的」だったと述べた。
バイデン氏は来週、日本の岸田文雄首相とフィリピンのマルコス大統領と会談する。
米政府高官は1日、米中両軍が週内にホノルルで海洋協議を開くと明らかにした。米国は南シナ海のセカンド・トーマス礁(フィリピン名・アユンギン礁、中国名・仁愛礁)周辺で中国海警局がフィリピン船に放水銃を使用したことに懸念を表明している。
中国とフィリピンの外交関係の緊張や海上での衝突がエスカレートする中、この問題は米中間の潜在的な火種となっている。
<経済・貿易慣行に懸念>
ホワイトハウスの声明によると、バイデン氏は電話会談で、米政府が「不公正」とみなす中国の「通商政策や非市場経済慣行」に対する懸念を表明した。
習氏は米国が中国の貿易と技術開発を抑制し、新たな企業を制裁リストに追加することで「リスクを軽減しているのではなく、リスクを生み出している」と警告した。
バイデン氏は「貿易や投資を不当に制限することなく、米国の先端技術が米安全保障を脅かす目的で利用されることを防ぐために必要な措置を引き続き講じると強調した」という。
また、中国系動画アプリ「TikTok(ティックトック)」に関する米側の懸念も習氏に伝えた。
両首脳はさらに、ロシアのウクライナ侵攻に対する中国の支持のほか、新疆ウイグル自治区における少数民族に対する人権侵害に関する懸念や朝鮮半島の非核化に関する協議も行った。
*米国務長官の訪中予定などを追加しました
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