法人企業統計、7─9月期設備投資は前年比8.1%増 14四半期連続プラス
ロイター / 2024年12月2日 12時9分
12月2日、財務省が公表した2024年7─9月期の法人企業統計によると、金融業と保険業を除く全産業の設備投資額は前年同期比8.1%増だった。写真は都内で4月撮影(2024 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Tetsushi Kajimoto
[東京 2日 ロイター] - 財務省が2日公表した2024年7─9月期の法人企業統計によると、金融業と保険業を除く全産業の設備投資額は前年同期比8.1%増だった。14四半期連続の増加で、金額は同四半期として過去3番目に大きい13.4兆円だった。季節調整済み前期比では1.7%増と、2四半期連続でプラスだった。
製造業は前年同期比9.2%増、非製造業は同7.4%増だった。製造業は半導体製造装置など情報通信機械が同21%増と伸びをけん引した。主力輸出品の自動車など輸送用機械も同14%増加した。
経常利益は同3.3%減と、7四半期ぶりに減少した。財務省によると、海外で自動車の販売競争が激化した影響を受けた。金額ベースでは23.1兆円と、同四半期としては過去2番目の大きさだった。売上高は同四半期として過去最高の377.3兆円で、前年同期から2.6%増加した。
いわゆる内部留保にあたる利益剰余金は、9月末時点で前期比約10兆円増の598.4兆円と過去最高を更新した。
法人企業統計は資本金1千万円以上の営利法人約23000社を網羅している。
法人企業統計の設備投資は、国内総生産(GDP)速報の2次改定値を算出する上で需要側の統計として用いられ、2次速報を予測する上で注目されている。
先月公表された7-9月期のGDP1次速報は、個人消費の回復から対前期比年率0.9%の成長率となった。
農林中金総合研究所理事研究員の南武志氏は、1次速報値でマイナス0.2%だった設備投資は、法人企業統計を受けて、プラス1.0%前後に上方修正され、全体のGDPも押し上げられるとみる。「設備投資の強さもあって、景気の回復基調は続いている」としている。
南氏は日銀の利上げ判断について「経済・物価は日銀の想定通りに動いている。そうであれば今月利上げするのではないか」との見方を示した。一方で「設備投資が持続的かどうかは不透明。企業が減益に転じてきている。米国経済も堅調といわれるが、トランプ関税を不安視する企業も多い」として、日銀が見極めの姿勢に変わる可能性もあると指摘する。
*内部留保過去最大を加えました。
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