債券市場の機能度、9年ぶり高水準 買い入れ減額も奏功=日銀調査
ロイター / 2024年12月2日 17時11分
12月2日、日銀が発表した「債券市場サーベイ」の11月調査によると、債券市場の機能度に対する市場参加者の見方を示す機能度判断DIはマイナス20だった。写真は昨年1月、都内の日銀本店前で撮影(2024年 ロイター/Issei Kato)
Takahiko Wada
[東京 2日 ロイター] - 日銀が2日発表した「債券市場サーベイ」の11月調査によると、債券市場の機能度に対する市場参加者の見方を示す機能度判断DIはマイナス20だった。7回連続で改善となり、マイナス圏ながら2015年11月調査以来の高い水準となった。8月に始めた国債買い入れの減額や市場の落ち着きが市場機能の改善につながったとみられる。
調査期間は11月1─8日。日銀の国債売買オペ先や大手機関投資家など74社を対象に調査した。機能度判断DIは機能度が「高い」と答えた割合から「低い」と答えた割合を差し引いた数字で、マイナスの数字が大きいほど市場機能が低下していると判断している市場参加者が多いことを意味する。
機能度判断DIのうち「3カ月前と比べた変化」はプラス9で、前回のマイナス8から急上昇した。
日銀の担当者によると、国債買い入れの減額に伴う市場機能への影響について、調査対象先からは「国債買い入れがマーケットに与えるインパクトが減って、オペに反応して相場が動くことが減った」、「カレント銘柄中心に流動性や機能度が改善している」との指摘が出る一方で、買い入れ減額が段階的なため 「すぐに機能度が改善するわけではない」との声もあったという。
機能度や流動性に関する質問項目のうち、ビッド・アスク・スプレッド(最も高い買値と最も低い売値の差)の判断DIは前回のマイナス39からマイナス30に改善した。前回8月は、調査期間中に米雇用統計を受けた米景気後退懸念で各市場のボラティリティーが高まったことで、同判断DIが大きく悪化していた。
<金利見通し>
金利見通しはおおむね前回より上方にシフトした。10年債利回りの中央値は、2024年度末で1.10%(前回は1.15%)、25年度末は1.30%(同1.25%)、26年度末は1.40%(同1.35%)となった。
20年債利回りはそれぞれ1.90%(同1.90%)、2.00%(同2.00%)、2.10%(同2.00%)。30年債利回りは2.25%(同2.20%)、2.40%(同2.25%)、2.40%(同2.30%)となった。
この記事に関連するニュース
-
アングル:日銀、追加利上げへ地ならしか 身構える市場
ロイター / 2024年12月2日 17時1分
-
24年度市中向け国債173兆円台半ばに増額、利付債は増減せず=関係筋
ロイター / 2024年11月28日 17時3分
-
保有国債、含み損13.6兆円=金利上昇で過去最大―日銀中間決算
時事通信 / 2024年11月27日 19時29分
-
保有国債の評価損が過去最大、9月末13兆6604億円 金利上昇で=日銀
ロイター / 2024年11月27日 18時31分
-
市場安定の判断留保、利上げ急がず米大統領選後まで「見極め可能」=日銀10月会合主な意見
ロイター / 2024年11月11日 11時20分
ランキング
-
1DMMビットコイン廃業へ、5月に不正流出 SBI系に資産移管
ロイター / 2024年12月2日 10時36分
-
2「企業イメージへの影響は避けられない」セブン&アイがクシュタールの大麻関連ビジネスに懸念を表明 《7兆円買収合戦に新たな火種》
文春オンライン / 2024年12月2日 6時0分
-
3若者に忘年会の幹事を任せた方がいい3つの理由 幹事で身につくビジネススキルを整理してみた
東洋経済オンライン / 2024年12月2日 7時50分
-
4「トラック運転手の給与」上げるのに必要なこと 何がネックになっているかの洗い出しを
東洋経済オンライン / 2024年12月2日 12時0分
-
5船井電機、会長が民事再生申請=破産手続き「寝耳に水」
時事通信 / 2024年12月2日 17時13分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください