イスラエルとヒズボラが攻撃の応酬、停戦合意の脆弱性一層浮き彫り
ロイター / 2024年12月3日 8時15分
Maya Gebeily Adam Makary
[ベイルート 2日 ロイター] - レバノン南部の2つの町で2日、イスラエルからの攻撃があり、少なくとも9人が死亡、3人が負傷した。イスラエル軍は、レバノン全土で親イラン武装組織ヒズボラの標的数十カ所を攻撃したと発表した。
これに先立ち、レバノン当局はこの2町(タルーサとハリス)とは別の南部地域に対するイスラエル軍の攻撃でさらに2人が死亡したと発表。このうち1人は任務中だった国家治安部隊メンバーだという。
2町に対する攻撃は、ヒズボラがシェバア農場付近のイスラエル軍拠点に「防御的警告攻撃」を行ったと発表した直後に行われた。
また、レバノンの首都ベイルートの住民はロイターに対し、夜遅くに低空を飛行するドローン(無人機)の音を聞いたと証言した。
攻撃の応酬はイスラエルとヒズボラの停戦合意の脆弱性を一段と浮き彫りにした。
先月27日に発効した停戦合意では、イスラエルがレバノンの民間人、軍人、その他の標的に対して攻撃的な軍事作戦を行わないこと、レバノンがヒズボラを含む武装集団による対イスラエル作戦を阻止することを規定している。
イスラエル軍によると、ヒズボラからミサイル2発が発射されたものの、死傷者は出ていない。イスラエルのネタニヤフ首相は攻撃に「強力に」対応すると表明した。
ヒズボラはロケット弾発射について、イスラエルによる度重なる停戦合意違反への報復と説明。停戦発効以来、ヒズボラが作戦を発表したのは初めて。
<米「違反報告に対処へ」>
イスラエルとヒズボラの交渉窓口を担うレバノンのベリ国会議長は、レバノンはこれまでに少なくとも54件のイスラエルによる停戦合意違反を記録していると指摘。停戦監視委員会に対し「緊急に」監視を開始するよう要請した。
米国務省のマシュー・ミラー報道官は「違反の報告を調査し、対処するため、フランス、イスラエル、レバノンとのメカニズムを通じた取り組みを進めている」と表明。停戦の初期はしばしば脆弱だが、暴力を減らすことにおおむね成功しているとの認識を示した。
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