黒人暴行死、全米各地で抗議続く トランプ氏は鎮静に強硬姿勢

ロイター / 2020年6月3日 13時36分

米中西部ミネソタ州で黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警官に暴行され死亡した事件を巡り、全米各地では2日も大規模な抗議デモが行われた。写真はトランプ米大統領。1日撮影(2019年 ロイター/TOM BRENNER)

[ワシントン/ミネアポリス 2日 ロイター] - 米中西部ミネソタ州で黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警官に暴行され死亡した事件を巡り、全米各地では2日も大規模な抗議デモが行われた。

ここ1週間続く抗議デモを受けて、多くの都市では夜間外出禁止令が出されている。

ロサンゼルス、ワシントン、フィラデルフィアなどの大都市では、多数が平和的な抗議活動を行った。ニューヨーク市でも、数千人が86丁目を「no justice,no peace(正義がないところに平和はない)」などと書かれたプラカードを掲げて抗議の声を上げながら行進した。ただ、大きな混乱はなかった。

抗議デモの人々の後を警察官やパトカーが続いた。トランプ氏は2日、放火や略奪、破壊行為が相次ぐ中、混乱を収拾するため、州兵(ナショナルガード)がニューヨーク市の警備にあたるべきだと主張した。

フロイドさんの故郷の南部テキサス州ヒューストンでは、フロイドさんの友人や家族が主催した抗議デモに多くの人々が参加した。

ミネアポリスでは、フロイドさんの6歳の娘の母親ロキシー・ワシントンさんが会見で、フロイドさんはもう娘の成長を見ることができないと、悲しみを訴えた。

<トランプ氏は州知事を批判>

一方、抗議活動が全国に拡大する中、トランプ米大統領は2日、州兵を動員して事態の収拾を図るという自身の提案に従わなかったとして各州の州知事を非難し、ニューヨーク市に混乱収拾のため州兵を動員するよう要求した。

トランプ氏は1日、デモに対する市長や州知事の対応を批判し、暴力の鎮圧に米軍の動員も辞さない構えを示した。首都ワシントンに数千人の重武装兵や警察を動員するとし、市長や知事が事態を収拾できなければその他都市でも同様の措置を取ると表明した。

2日にはツイッターに「ニューヨークは略奪者や極左勢力のほか、まっとうでないあらゆる種類の人間に乗っ取られた。(ニューヨーク州のクオモ)州知事は州兵動員の提案を拒否しており、ニューヨーク市はずたずたにされた」と投稿。「ニューヨーク市は州兵を動員せよ。直ちに行動せよ!」とも書き込んだ。

州兵トップによると、1万8000人の州兵が29州で地元警察などの支援にあたっている。

米国防総省は2日、ワシントン首都圏に陸軍兵士約1600人を配置したと明らかにした。

デモに対するトランプ大統領の対応を巡っては、国の結束を呼び掛け根本的な問題の解決を目指す代わりに衝突や人種間の対立をあおっているとの批判が出ている。

2016年大統領選でトランプ陣営のアドバイザーを務めたジェーソン・ミラー氏は「法と秩序を重視するトランプ大統領の対応は正しい。大統領は慰め役として雇われているわけではない」と述べた。

<バイデン氏「人種の分断いやす」>

大統領選の民主党候補指名を確実にしたバイデン前副大統領は2日、トランプ大統領の対応を強く非難し、自身は米国における人種の分断をいやすことにコミットすると強調した。

オバマ政権下で統合参謀本部議長を務めたマーチン・デンプシー氏はツイッターに「米国は戦場ではない。市民は敵ではない」と投稿した。

フロイドさんの死亡現場に集まったうちの一人で黒人のアル・クラークさん(62歳)は、公民権運動の指導者マーチン・ルーサー・キング牧師がこの暴力を目にしたらがく然とするだろうと語った。

その上で「(デモ参加者の)失望と怒りも理解できる」と付け加えた。

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