ECB総裁、来年利上げの可能性非常に低いと指摘
ロイター / 2021年11月3日 23時29分
[フランクフルト 3日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は3日、来年利上げする可能性は非常に低いとの認識を示した。市場では来年10月にも利上げするとの見方が出ていたが、ラガルド氏の発言を受け、利上げ予想時期は同年12月に後ずれした。
ラガルド総裁はリスボンで開催された会合で「金利に関するフォワードガイダンスで、われわれは利上げを開始する前に満たすべき3つの条件を明示している」と指摘。「足元でインフレが進行しているが、中期的な見通しは依然穏やかだ。したがって3つの条件が来年満たされる可能性は非常に低い」と述べた。
「ここ数週間、インフレ見通しの不確実性の高まり、ユーロ圏の政策金利予想への海外からの影響波及、パンデミック後の資産買い入れ制度に関する疑問を主因に、市場金利は上昇してきた」とし、ECBは引き続き緊急資産買い入れ制度を活用して借り入れコストを押し下げていくとし、最近の利回り上昇をけん制した。
「エネルギー・燃料コストの上昇で購買力が低下している局面で過度な金融引き締めをするのは望ましくないと述べた。
ECB理事会メンバーのデコス・スペイン中銀総裁も、市場金利はECBのフォワードガイダンスから乖離しているとの見解を示し、ラガルド氏に同調。「われわれは、現在のインフレ急上昇は主に一過性の要因によるものとみている。ただ、こうした要因は当初の予想より根強く持続する可能性がある。このため、向こう数カ月はインフレ率が比較的高い状態が続くと予想している」と述べた。
ラガルド総裁は10月28日の理事会後の記者会見で、来年には物価圧力は緩和するとの考えを表明。「インフレ率の低下には以前の予想よりも時間がかかるものの、こうした要因は来年にかけて緩和していくとみられ、インフレ率はECBの中期目標である2%を下回ると引き続き予想している」などと述べたものの、市場で出ていた利上げ観測を払拭することはできなかった。
ただ今回の発言には効果があり、ECBが10ベーシスポイント(bp)の利上げを実施する時期の見通しは来年12月と、従来の同年10月から後ずれした。
ラガルド氏の発言を受け、ユーロ圏の国債利回りが全般的に低下。独10年債とイタリア10年債の利回り格差も縮小した。
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