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アングル:米運輸株指数の低迷、景気減速のシグナルか

ロイター / 2024年6月3日 10時57分

5月31日、米国の主要株価指数は今年、「当たり年」を迎えているが、運輸セクターだけは不振ぶりが際立っている。バージニア州ののレーガン・ナショナル空港で2022年1月撮影(2024年 ロイター/Joshua Roberts)

Lewis Krauskopf

[ニューヨーク 31日 ロイター] - 米国の主要株価指数は今年、「当たり年」を迎えているが、運輸セクターだけは不振ぶりが際立っている。景気循環に敏感なセクターであるだけに、景気減速の前触れと受け止める投資家もいる。

ダウ運輸株平均指数は年初からこれまでに約5%低下した。S&P500種総合指数が9%、ダウ工業株30種が1%、それぞれ上昇したのとは好対照だ。

両指数とナスダック総合指数が今年そろって過去最高値を更新したのを横目に、ダウ運輸株平均は2021年11月に付けた最高値を約12%も下回っている。

鉄道、航空、貨物輸送、トラック輸送など20銘柄で構成されるダウ運輸株平均の低迷ぶりは、景気の弱さを告げている、もしくは市場全体がこれ以上、大幅上昇するのを阻む要因になりかねない、と一部の投資家は言う。

ホライゾン・インベストメント・サービシズのチャック・カールソン最高経営責任者(CEO)はダウ運輸株平均について「将来の経済活動のバロメーターだ」と指摘。「景気後退は差し迫っていないが、おそらくは景気減速が待っていることを示唆しているのかもしれない」と語った。

半導体大手エヌビディアなど一部大型ハイテク株に引っ張られたS&P500上昇の影で、他の経済セクターは米連邦準備理事会(FRB)の積極的利上げによって圧迫されている可能性がある。運輸株の弱さは、そうした実態を示す好例の1つだ。

運輸株以外で低迷しているのは小型株。一部アナリストによると、小型株は大型株よりも経済成長に敏感だ。不動産株と、ナイキ、マクドナルド、スターバックスなど主要消費関連株の一角も弱い。

7日発表の5月雇用統計が、景気の強さと市場にとって重要な試金石となる。

ハンコック・インベストメント・マネジメントの共同最高投資ストラテジスト、マシュー・ミスキン氏は、運輸株が持ち直さない限り、市場全体が大幅に上値を追うのは難しいかもしれない、と話す。

同氏は、市場の一角がS&P500の過去最高値更新に異を唱えているようなものだと指摘。「だから一部の運輸株が軟調なのは、少し用心すべきだと思う」と語った。

もっとも、ダウ運輸株平均指数が経済全体を反映していると、全ての投資家が考えているわけではない。同指数は、多くの指数のように時価総額ではなく、株価で加重平均されている上、20銘柄しか含んでいないからだ。

また、やはり景気に敏感とされる半導体の株価はずっと好調で、フィラデルフィアSE半導体指数は年初から20%も上昇した。

ホライゾンのカールソン氏は、市場全体の基調は依然として強気だとみている。ただ、運輸株が5月29日に昨年11月以来の最安値で引けたことは心配だと言う。

同氏は「(ダウ)工業株と市場全体がこれ以上、上昇し続けるのが無理だとは思わない。しかし運輸株が中期的な安値を更新した以上、持続的に上昇する確率は下がったと考えている」と述べた。

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