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トヨタなど5社が認証不正、対象車の出荷停止 国交省立ち入り検査へ

ロイター / 2024年6月3日 21時13分

6月3日、国土交通省は、トヨタ自動車、ホンダ、マツダ、ヤマハ発動機、スズキの5社で型式指定を申請する際に不正行為があったと発表した。写真は2022年バンコクで撮影(2024年 ロイター/Athit Perawongmetha)

Maki Shiraki

[東京 3日 ロイター] - トヨタ自動車、ホンダ、マツダ、ヤマハ発動機、スズキの5社で、量産に必要な型式指定申請で不正があったことが判明した。対象は計38車種で、うち3社が現在生産中の6車種の出荷を停止。国土交通省は道路運送車両法に基づき、4日にはトヨタ本社(愛知県豊田市)、その後4社にも順次立ち入り検査し、行政処分を検討する。

同省はダイハツ工業や豊田自動織機での認証不正を受け、完成車メーカーなど85社に不正の有無に関する調査を求め、5月末までに同5社から不正報告を受けた。

トヨタはまだ調査の途中だが、2014年以降の7車種において国が定めた基準と異なる方法で試験をしていたことが分かったとして同省へ報告。現行車の「カローラフィールダー」「カローラアクシオ」「ヤリスクロス」の3車種は歩行者保護試験で虚偽データを提出していたことなどが発覚し、3日から出荷を停止。生産を終了した「クラウン」「アイシス」「シエンタ」「レクサスRX」の4車種では衝突試験における試験車両の不正加工などが見つかった。

ただ、7車種は社内検証で法規で定められた性能に問題ないことを確認済みで、車の使用を控える必要はなく、現時点で連結業績予想への影響も軽微という。

豊田章男会長は3日会見して陳謝し、「認証制度の根底を揺るがす行為で、自動車メーカーとして絶対にやってはいけない」と述べた。トヨタの不正調査は6月末までに完了する予定で、同会長は年末までに認証の全工程を詳細に分析し、改善策を公表する意向も明らかにした。

豊田会長はまた、不正の原因は「1つの理由ではない」とした上で、「短い納期で何度もやり直しをする。その最終工程である認証業務に関わっている現場に、たいへんな負担を強いてしまった」と指摘した。

さらには「自身も認証制度がよく理解できていなかった」といい、「非常に長い」認証工程の流れを現在検証中で、「今はそれぞれの認証項目で各工程がなすべき作業などを標準化する、または保証すべき品質基準などを整理した段階」と説明、全てを洗い出して公表するには「年末くらいまではかかる」と話した。「地道で時間のかかる取り組みだが、私自身が現場に出向いて責任を持って推進する」と述べた。

マツダも14年以降に生産した計15万台の試験で不正があった。生産中の「ロードスターRF」「マツダ2」の2車種は出力試験でのエンジン制御ソフトの書き換えが見つかった。生産を終了した「アクセラ」など3車種は衝突試験で車両の不正加工があった。現行2車種の出荷を停止、影響を受ける注文は現時点で約3500件という。

マツダの毛籠勝弘社長もこの日会見し陳謝したが、「組織的な隠ぺいや悪意による不正は見当たらなかった」とも語った。停止で生じる仕入先の損失は「誠意をもって当然カバーする」と説明。出荷再開の時期は不明で、顧客からの信頼回復も必要で、現時点で業績への影響を見極めるのは「非常に困難」と述べた。

ホンダは生産を終了した「フィット」「ヴェゼル」など22車種、延べ約435万台で不正があった。騒音試験で成績書の虚偽記載などがあった。同社によると、騒音試験では法規の範囲を超えたより厳しい条件で試験を実施しており、性能上の適法性に問題はないと考えていたという。社内試験により法規基準を満たしていることは確認されており、性能への影響はなく、使用の継続に問題はないという。

同日会見したホンダの三部敏宏社長も陳謝した上で、不正は「コンプライアンス(法令順守)の認識の甘さ」に起因するもので、「性能の出ていないものに対しての改ざんではない」と述べた。不正に「悪質性は全くない」とも指摘、「担当者ベースでの処分や経営陣の責任は考えていない」とした。

スズキは生産を終えた1車種のみで制動装置試験における試験成績書の虚偽記載があった。ヤマハ発は生産中のバイク1車種で不適正な条件での騒音試験を実施し、生産終了の2車種については警音器試験で成績書の虚偽記載があった。

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