1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

フィッチ、気候条項とハイブリッド債の格付け基準緩和

ロイター / 2024年7月3日 13時47分

 7月2日、格付け会社大手フィッチ・レーティングスは世界銀行など新興国や開発途上国向け資金支援を手がける国際的な各種開発銀行の信用格付けに関し、自然災害関連やハイブリッド債について、いずれも格付けの判断基準を緩和したと発表した。2020年5月撮影(2024年 ロイター/Dylan Martinez)

Marc Jones

[ロンドン 2日 ロイター] - 格付け会社大手フィッチ・レーティングスは2日、世界銀行など新興国や開発途上国向け資金支援を手がける国際的な各種開発銀行の信用格付けに関し、自然災害関連やハイブリッド債について、いずれも格付けの判断基準を緩和したと発表した。

世銀など、多国籍出資の開発支援銀行は昨年、低所得国がハリケーンや洪水など深刻な自然災害に見舞われた場合、融資した資金の返済を最長で2年間延期できる「気候変動に強靱な債務条項(CRDC)」を導入した。

この措置を巡り世銀などは、各種格付け会社がリスクは高いとみて、低コストで市場調達ができるトリプルAの格付けに影響すると懸念していただけに、フィッチの発表は朗報となった。

フィッチは今回、信用格付けに影響しないとの考えを明確化した。世銀などのバランスシートの規模に着目し、CRDCの影響は最小限にとどまるはずだと指摘。実際に発動した場合、流動性ポジションに大きな問題とならない限り「通常は格付けに中立的だろう」と明示した。

フィッチのアナリスト、アルノー・ルイ氏によると、気候変動懸念が高まるにつれて融資契約にCRDCが盛り込まれるケースがますます一般的となる見込みだ。しかしその点が信用格付けのフレームワークに欠けていた部分だったため、フィッチの姿勢を明確化したという。

フィッチはまた、アフリカ開発銀行が今年初めて発行した新規の「ハイブリッド型債券」に対する評価基準も変更した。この債券は発行に当たって貸し出し能力を最大化できるよう資本バッファー要件が低く設定されている。

ルイ氏によると、重要な変更点は、こうした債券格付けが従来のシングルAで頭打ちにならないことだ。従来の格付けでは上限はシングルAで、ほとんどの開発銀行に付与されている最上位のトリプルAよりも5ノッチも低いが、これを見直す。

リスクが高いハイブリッド債の発行では、100%自己資本に計上する場合、各開発銀行個別の信用格付けよりも平均3ノッチ低く、50%計上の場合は平均2ノッチ低く評価されることになる。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください