今後、円安進行や金融の過熱回避の観点から政策調整必要=1月日銀主な意見
ロイター / 2025年2月3日 10時52分
2月3日、日銀が追加利上げを決めた1月の金融政策決定会合では、新年度に向けた価格転嫁の一段の進展や円安進行で物価が上振れる可能性があるほか、不動産も含めた資産価格の上昇で投資家の期待も高まっているとして、今後は「過度な緩和継続期待の醸成による円安進行や金融の過熱を避ける観点から、金融緩和度合いの調整を行うことも必要」との意見が出ていたことが明らかになった。都内の日銀本店で1月撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
Takahiko Wada
[東京 3日 ロイター] - 日銀が追加利上げを決めた1月の金融政策決定会合では、今後は「過度な緩和継続期待の醸成による円安進行や金融の過熱を避ける観点から、金融緩和度合いの調整を行うことも必要」との意見が出ていた。企業や家計の予想物価上昇率は「概ね2%程度となっている」として、今後は「金融政策が影響を及ぼし得る『市場ベースの物価』(家賃や公共サービスを除いた物価)をよく見ながら、物価の上振れリスクに注意していくべき局面だ」との意見もあった。
日銀が3日、1月23―24日の決定会合での主な意見を公表した。日銀は同会合で、政策金利を0.5%に引き上げることを賛成多数で決めた。
決定会合では、利上げ後も「実質金利は大幅なマイナス」として、経済・物価がオントラックであれば「それに応じて引き続き利上げをしていくことで、そのマイナス幅を縮小していく必要がある」との意見も出た。円安進行や金融の過熱を回避する観点から今後の利上げをすべきだと述べた委員は「新年度に向けた価格転嫁の一段の進展や円安進行で物価が上振れる可能性もあるほか、不動産も含めた資産価格上昇で投資家の期待も高まっている」と指摘した。
一方で、上下双方向のリスクが「かなり大きい」として「利上げのペースやターミナル・レートを示唆することには極めて慎重であるべきだ」との意見もあった。ある委員は「将来的には、政策金利についての考え方や、基調的な物価上昇率に関する各種指標の位置づけを整理していくことが望ましい」と話した。
「アメリカのインフレ再燃と世界的な貿易摩擦の激化が同時に起こり、スタグフレーション型シナリオとなる可能性もある」として、「単に緩和度合いを強くしておけば乗り切れるという状況ではない」との指摘も出された。
今回の決定会合は、米国で発足したばかりのトランプ新政権の動向と国内の賃上げ動向が利上げ判断の焦点となった。
米新政権の政策については、日本にも影響がさまざまに出てくると思うが「ある程度の下方のストレスを吸収できる程度には、日本経済の頑健性は全体として高まっている」との意見があった。「米国経済の底入れでFRB(米連邦準備理事会)の利下げ一時休止が見込まれるため、日本銀行の政策の自由度が増した」との声も上がった。
賃上げについては、企業収益・労働市場・物価の状況に加え、年初にかけての経営者の発言、日銀支店長会議などのミクロ情報を踏まえると「少なくとも昨年とそれほど遜色ない水準になると予想できる」との指摘が出された。賃上げを前提として中期経営計画を策定する企業の増加は「賃金は上がらないというゼロ・ノルムからの転換を端的に示している」との意見も見られた。
為替については「日本経済の現状を見ると、昨年前半までのような急激な円安の進行は決して望ましいものではない」とする一方で「円安是正が過度に進むといった逆のリスクにも相応に注意が必要」との声も出た。
ある委員は「基調的な物価上昇率は2%の目標に向けて徐々に高まってきている」とし、見通し通りに推移すれば消費者物価は「2022年度から4年連続で2%を有意に上回ることになり、コストプッシュとは言え、経済主体の物価観は累積的に高まっている」と述べた。
1月会合での利上げ決定については「市場の平均的な予想と比較してタカ派的でもハト派的でもないという意味で、十分に中立的なタイミング」との声もあった。同会合を巡っては、決定会合に先立って植田和男総裁や氷見野良三副総裁が利上げの是非を議論すると発言し、市場が利上げを織り込む中での政策決定となった。
財務省の出席者は、利上げについて「2%の物価安定目標の実現に向けて必要と判断されたものと受け止めており、政策の趣旨の対外的に丁寧な説明を期待する」と発言した。
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