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トランプ関税が市場直撃、株価一時1100円安 加ドル・メキシコペソも

ロイター / 2025年2月3日 11時8分

トランプ関税が金融市場を直撃している。2月3日の東京市場では日経平均が大幅に下落、下げ幅は一時1100円を超えた。トランプ米大統領は米国時間1日、カナダとメキシコからの輸入品に25%、中国からの輸入品に10%の追加関税を課す大統領令に署名した。写真は、カナダ製品の購入を呼びかける掲示。2日、カナダのバンクーバーで撮影(2025年 ロイター/Chris Helgren)

Noriyuki Hirata

[東京 3日 ロイター] - トランプ関税が金融市場を直撃している。3日の東京市場で日経平均は大幅に下落、下げ幅は一時1100円を超えた。為替市場でもカナダドルやメキシコペソが売られており、リスクオフの波が広がっている。

トランプ米大統領は米国時間1日、カナダとメキシコからの輸入品に25%、中国からの輸入品に10%の追加関税を課す大統領令に署名した。従来の発言を実行に移したことで、さらなる関税強化や経済への悪影響への警戒感から、対象の通貨だけでなく、幅広くリスク資産が売られている。

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンド・マネージャーは「関税の発動が近づいたことで、関税を背景にした最悪シナリオを織り込みにいっている」と指摘する。世界経済への減速や米インフレによる金利上昇懸念の織り込みが進んでいるという。

株式市場では、東証33業種のすべてが下落。プライム市場の値下がり銘柄は9割強と全面安の商状。トヨタ自動車が5%安、日産自動車は一時10%超安となっており「サプライチェーンへのダメージが避けられないとみられ、業績にも悪影響が出るとの懸念から下げがきつくなっている」(GCIアセットマネジメントのポートフォリオマネージャー・池田隆政氏)との指摘が聞かれた。

ディープシークショックに揺れた米半導体株のバリュエーション調整が進んでいることも、日経平均への寄与度の高い半導体関連株の逆風になっている。時間外取引の米株先物の下落も嫌気されているとみられる。

為替市場では、関税強化の対象となったカナダドルやメキシコペソの弱さが目立つ。メキシコペソ/円が前週末の7.50円付近から7.30円付近へ2%超下落、昨年12月以来2カ月ぶり安値を更新した。加ドルも105円台と1%超の下げで4カ月ぶり安値を付けた。

「ドルと円が買われやすい状況で、金利先高観によるドル高か、株安によるリスク回避の円買いかの見極めが必要だ」と、上田東短フォレックスの阪井勇蔵営業企画室室長は指摘する。いずれかの時点で関税懸念が和らげば、売られていた対象国通貨が買い戻される局面もあるとみられ「全般的に荒い値動きになるだろう」(上田東短フォレックスの阪井氏)という。

日本国債の現物市場では、新発10年国債利回り(長期金利)が前営業日比1.0ベーシスポイント(bp)低下の1.230%。序盤には2011年4月以来、約14年ぶりの高水準となる1.260%まで上昇する時間帯もあった。

市場では「寄り付きは米金利に上昇の気配があり売られて始まったが、その後日本株が下げ幅を拡大する中で、リスクオフの債券買いの動きが強まったようだ」(国内証券ストラテジスト)との声が聞かれた。

日経平均は、朝方の売りが一巡した後は、下げ渋る様子もうかがえる。ドル/円が155円後半へと円安方向に振れ、投資家心理の支えになっているという。しんきんAMの藤原氏は「米国のインフレ率が実際に上がってくれば相場への影響もあり得るが、思惑に基づく織り込みはかなり進んだ。いったん落ち着いてくるのではないか」と話している。

高関税の発動は4日からだとして「まだ時間がある。米国の問題意識は不法移民や違法薬物にある。対象国からこれらへの対策の青写真でも示されるようなら、発動がギリギリで回避される可能性は残る」と、三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは指摘している。

(平田紀之、ロイターマーケットチーム)

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