焦点:中国の学生ローン地獄、自殺者増加で取り締まり強化

ロイター / 2017年10月3日 11時18分

 9月27日、借金のため自殺に追い込まれる学生の話は近年、中国のメディアやSNSでは珍しくなく、このような業者に対する市民の激しい怒りを招いている。写真は、飛び降り自殺をした男子学生の父親。河南省で7月撮影(2017年 ロイター/Shu Zhang)

Shu Zhang and Ryan Woo

[トウ州市(中国) 27日 ロイター] - Zheng Dexingさん(21)は死の直前、ホテルにチェックインし、携帯電話から家族や友人に自殺を予告するメールを送った。

「遺体を回収しに来ないで。屈辱的すぎる」と、Zhengさんは山東省青島市から父親にメールした。Zhengさんは故郷の河南省から同市に逃げてきていた。

多額の借金を背負い、回収者に追い立てられ、Zhengさんは昨年、ホテルの8階から飛び降りて自ら命を絶った。

大学2年生だったZhengさんはギャンブルにはまり、10社以上のオンライン貸金業者から59万元(約1000万円)近くも借り入れていた。

借金のため自殺に追い込まれる学生の話は近年、中国のメディアやSNSでは珍しくなく、このような業者に対する市民の激しい怒りを招いている。

規制当局は、大学を狙うオンライン貸金業者による融資急増が原因だとしている。こうした業者は、べらぼうに高い金利を取ったり、暴力的な回収方法を用いたりすることがよくある。

ロイターが入手した2015年のローン契約書によると、1カ月の金利(複利)は1─2%で、年間の実質金利は13─27%になる。返済が滞れば、1日当たり最低0.5%の延滞金利がかかり、年率にして517%にもなる。

貸金業者は、最新の「iPhone(アイフォーン)」やノートパソコンを欲しがる学生たちの物質主義につけこみ、緩い条件で融資を行っている。簡単にカネが借りられるため、学生は借金や利息を支払うために新たなローンを組み、その結果、ものすごいスピードで遅延損害金が膨らみ、借金が雪だるま式に増える負の連鎖を招いている。

政府は6月、オンライン貸金業者に対し、大学生への新規ローン停止を指示。一方、国有銀行にはその穴を埋めるよう命じた。これは大きな転換だ。国有銀行は、貸し倒れ率が高まった2009年に学生市場から手を引いていた。

オンライン資金業者の多くは政府の指示を守っているが、今なお学生を狙う業者が横行しているとみられる。回収を待つ既存ローンも数知れぬほどある。

ロイター

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