米、インフレ対応であらゆる措置検討 関税引き下げ優先せず
ロイター / 2022年5月3日 10時3分
[ワシントン 2日 ロイター] - 米通商代表部(USTR)のキャサリン・タイ代表は2日、インフレ高進に対応するため、中国からの輸入品に対する関税の引き下げなどあらゆる措置が検討されていると述べた。一方で、いかなる政策変更も中期的な目標を念頭に置く必要があると強調した。
ロサンゼルスで開かれたミルケン研究所主催の会議で「確かにこれらの関税について検討することは可能」とした上で、戦略的観点から何をすべきなのかを判断することが重要との見解を表明。インフレ対応でいかなる措置を講じるとしても、より耐性があり、持続的な世界経済を構築するという中期的な目標を損なってはならないと語った。
食品・エネルギー価格の高騰に対処する上で金融政策や租税政策が役割を担うと述べた。
タイ氏は大規模な関税引き下げの可能性には否定的な見方を示し、インフレ対策として広範な関税撤廃を提唱したピーターソン国際経済研究所の最近の論文に異議を唱えた。
論文は、米中が関税を撤廃し、さらに米国が全ての国からの鉄鋼とアルミニウムおよびカナダ産針葉樹材への関税を廃止した場合、米消費者物価指数(CPI)上昇率は1.3%ポイント低下するとしている。
タイ氏は「この研究の前提に異議を唱えなければならない」とし、「フィクションか、興味深い学術的演習の類だ」と語った。
関係筋によると、USTRはトランプ前政権が導入した対中関税の限定的な免除を引き続き検討しているものの、関税について直ちに大規模な措置を講じる見込みはないという。
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