ハイチ人権被害「前例のない規模」＝国連人権高等弁務官

　４月２日、国連のターク人権高等弁務官（写真）は、人権理事会に向けたビデオメッセージでハイチ情勢に言及し、政府機能の欠如により「殺人と誘拐が急増して人権侵害が前例のない規模で起きている」と述べ、治安回復が喫緊と各国に呼びかけた。写真はスイスのジュネーブで昨年１２月撮影（２０２４　ロイター／Denis Balibouse）

[ジュネーブ ２日 ロイター] - 国連のターク人権高等弁務官は２日、人権理事会に向けたビデオメッセージでハイチ情勢に言及し、政府機能の欠如により「殺人と誘拐が急増して人権侵害が前例のない規模で起きている」と述べ、治安回復が喫緊と各国に呼びかけた。

首都ポルトープランスの制圧を巡って数々の武装ギャングが警察署や国際空港を相次いで襲撃するなど無法状態が続いている。国連人権高等弁務官事務所の先週の発表では、死者が１月から３月までの間に計１５００人を超えた。

ターク氏は、性暴力の蔓延も過去にないレベルに達する可能性が非常に高いと警鐘を鳴らした。その上で「住民への暴力被害がさらに増えるのを食い止め、生命を救う人道支援を確実に提供できるようにするため、一定程度の治安回復が当面の優先事項でなければならない」と強調した。