FRB当局者、12月会合巡り手掛かり示さず 今後の追加利下げは支持
ロイター / 2024年12月4日 8時51分
米連邦準備理事会(FRB)当局者は12月3日、インフレ率が引き続き目標の2%に向けて低下しているとの見方を示し、今後の追加利下げへの支持を示唆した。写真は米ドル紙幣。2022年5月撮影のイメージ写真(2024年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)
Howard Schneider Ann Saphir
[3日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)当局者は3日、インフレ率が引き続き目標の2%に向けて低下しているとの見方を示し、今後の追加利下げへの支持を示唆した。ただ、今月17─18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを行うかについては明確な手掛かりを示さなかった。
サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁はFOXビジネス・ネットワークで、政策の再調整を続けていく必要があるとした上で「それが12月になるか、それ以降になるかについては次回の会合で議論し、検討する」と指摘。「まだ収集すべき情報があるため、柔軟にオープンマインドを維持する必要がある」と述べた。
シカゴ地区連銀のグールスビー総裁も今月のFOMCについて見解をほとんど示さず、「今後1年で金利は現在の水準からかなり低下するように思うが、状況は変化するため、われわれは6週間ごとに会合を開く」とイベントで述べた。
FRB当局者は11月の大統領選でトランプ氏が勝利してから特に、政策見通しについてガイダンスを示すことに慎重になっている。同氏が公約した輸入関税や減税、移民取り締まりなどの政策は今後数カ月の景気見通しに影響する可能性がある。
デイリー、グールスビー両総裁とクーグラーFRB理事は、まだ公布されていない政策に対応することはできないとし、今後の方針を検討するためデータを注視していると述べた。
6日の雇用統計や11日の消費者物価指数(CPI)など、向こう2週間は重要指標の発表を多数控える。
クーグラー氏はデトロイト・エコノミック・クラブでの講演で「最大雇用と物価安定という(FRBが担う)二重責務の達成に向けて近年大きな進展が得られ、経済は良好な状態にある」とし、「労働市場はなお堅調で、インフレ率は目標の2%に向けて持続可能な軌道に乗っているようだ」と述べた。
FRBのウォラー理事は2日、今月のFOMCでの追加利下げに傾いていると述べた。4日にはパウエル議長の発言機会が予定されている。
金融市場が織り込む今月の25ベーシスポイント(bp)利下げ確率は約70%。来年末までにさらに2回の利下げを織り込んでいるが、これはFRB当局者が9月に示した見通しより緩やかなペースとなる。FRBは今月の会合後に最新の金利見通しを公表する。
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