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イラン、ウラン濃縮20%に引き上げ 核合意修復困難

ロイター / 2021年1月5日 7時3分

 1月4日、イラン政府報道官は中部フォルドゥの地下施設でのウラン濃縮活動について、濃縮度を20%に引き上げる作業を再開したと述べた。同国のメヘル通信が伝えた。。ウィーンのIAEA本部、昨年12月撮影。(2021年 ロイター/Lisi Niesner)

[ドバイ/ウィーン/ワシントン 4日 ロイター] - イラン政府報道官は4日、中部フォルドゥの地下施設でのウラン濃縮活動について、濃縮度を20%に引き上げる作業を再開したと述べた。同国のメヘル通信が伝えた。2015年のイラン核合意から一段と逸脱するもので、今月発足するバイデン米新政権は難しい舵取りを迫られる。

報道官は「フォルドゥの濃縮施設で、数分前に濃縮度20%のウランを生産する作業を開始した」と述べた。

イランは、米国が核合意から離脱し対イラン制裁を再開したことに対抗し、19年からウラン濃縮などで核合意を逸脱する行動に出ている。

イランは1日、国際原子力機関(IAEA)に、フォルドゥの地下施設で最大20%にウランを濃縮する活動を再開する計画と通達していた。

IAEAはこの日、イランが濃縮度を引き上げたことを加盟各国に報告した。

欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会の報道官は「事実と確認されれば、イランは核合意から著しく逸脱したことになる」とし、「全ての関係各国は合意の存続を望んでいる。関係各国がコミットメントを順守すれば合意は存続できる」と述べた。

核合意で定められた濃縮度の上限は3.67%。これまでに4.5%まで高めていた。核兵器製造には濃縮度90%が必要とされている。

イスラエルのネタニヤフ首相は声明で、イランの濃縮度引き上げは「核兵器開発を継続する意図を示している」とし、「イスラエルはイランによる核兵器製造を容認しない」と表明した。

米国務省報道官は「イランがフォルドゥの地下施設で濃縮度を20%に引き上げたことは、核を利用した脅しを一段と推し進める意向を明らかに示している。こうした試みは今後も失敗する」と述べた。

*内容を追加して再送します。

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