バイデン氏歳出法案の財源、2700億ドル不足 税制委試算
ロイター / 2021年11月5日 7時55分
米議会の合同税制委員会の専門家は、バイデン大統領が看板政策に掲げる1兆7500億ドル規模の「ビルド・バック・ベター(よりよき再建)」法案の財源となる向こう10年の歳入が1兆4800億ドル程度と、2700億ドル不足するという試算を示した。2020年3月撮影(2021年 ロイター/Tom Brenner)
[ワシントン 4日 ロイター] - 米議会の合同税制委員会は、バイデン大統領が看板政策に掲げる1兆7500億ドル規模の「ビルド・バック・ベター(よりよき再建)」法案について、財源として見込まれている向こう10年の税収が1兆4800億ドル程度と、2700億ドル不足するという試算を示した。
民主党穏健派の代表格であるヘンリー・クエラー下院議員はこの試算を受け、同法案の問題はすぐに解決できないため、4日の可決は「難しい」と指摘。法案の移民に関する規定案に反対があり、議会予算局(CBO)による歳入見込み額の最終報告が出ていないほか、党指導部が穏健派の信頼を得ていないことなどを理由に挙げた。
ペロシ下院議長と下院歳入委員会のニール委員長(民主党)は、合同税制委の試算は、法案に盛り込まれた内国歳入庁(IRS)の徴税強化や高齢者向けの公的医療保険「メディケア」の薬価引き下げによるコスト減から得られる追加歳入を反映していないとの見解を表明。
ペロシ氏は記者団に「客観的に見て、財源はしっかりと確保している」と強調した。穏健派の投票動向が不確定要因との見方は否定したが、採決をいつ行うかについては明言を避けた。
イエレン財務長官は声明を出し、同法案の歳入総額は2兆ドル以上に上り、歳出項目の財源を十分に賄った上で長期的な赤字削減にもつながるとの見解を表明した。
合同税制委は法案に関して税収のみの試算を出す。民主党によると、同じく超党派組織であるCBOはIRSの徴税強化や薬価引き下げによる歳入見込み額も算出する見通しだが、最終報告は来週以降になるとみられる。
合同税制委の税収試算額1兆4800億ドル程度のうち、高所得者に対する増税で6400億ドル、2022─31年の法人・国際税改革で8140億ドルを確保する見通し。
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