英、イングランドで一段の抑制策必要ない=首相
ロイター / 2022年1月5日 3時28分
英国のジャビド保健相は4日、首都ロンドンがあるイングランドで新型コロナウイルス感染拡大抑制に一段と厳しい措置の導入が必要なことを示すデータはないと述べた。2020年1月撮影(2022年 ロイター/Toby Melville)
[ロンドン 4日 ロイター] - 英国のジョンソン首相は4日、新型コロナウイルスのオミクロン変異株による感染の急拡大が続く中でも、首都ロンドンがあるイングランドで抑制に向けた追加策を導入しなくても乗り切れるとの認識を示した。
ジョンソン首相はこれまでも、ワクチンのブースター接種(追加接種)と現行の抑制策で対応できるとし、ロックダウン(都市封鎖)などの厳しい措置の導入は否定。
この日は、「クリスマス前に導入した『プランB』を実施することで、経済活動を再び停止させることなく、このオミクロン株による感染拡大の波を乗り切れる。学校と企業活動を継続させ、新型コロナと共に生きていく方法を見い出せる」と述べた。
イングランドで先月導入された「プランB」の下では、公共交通機関や小売店の中でのマスク着用などが義務付けられたが、集会などは制限されていない。
ただ、ジョンソン首相は感染が急拡大していることで、向こう数週間は病院がかなりの圧力にさらされる恐れがあるとの警戒感は示した。
ジョンソン首相によると、新型コロナに感染して集中治療室(ICU)で手当を受けている患者のうち、60%以上がワクチン未接種者。イングランドのクリス・ウィッティ主任医務官は、感染者数の急増に比例して死亡率は上昇していないとしている。
一方、インペリアル・カレッジ・ロンドンの疫学者、ニール・ファーガソン氏はBBCラジオに対し、オミクロン株への感染が高齢者層に広がるに従い、入院パターンに変化が出てくる可能性があると指摘。「全国的に入院数は増えている」とし、医療機関に圧力がかかる恐れがあると警告した。
これに先立ちジャビド保健相は、イングランドで感染拡大抑制に一段と厳しい措置の導入が必要なことを示すデータはないと発言。記者団に対し、オミクロン変異株の感染が急拡大する中、医療機関は極めて困難な時期に直面しているとし、医療機関がどのように対応するのか現時点では分からないとしながらも、現行の抑制策を変更する必要があることを示すデータは現時点ではないと述べた。
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