NY市場サマリー(4日)ドル/円5年ぶり高値、米債利回り上昇 ダウ連日最高値
ロイター / 2022年1月5日 7時24分
[4日 ロイター] -
<為替> ドルが対円で5日続伸し5年ぶりの高値をつけた。新型コロナウイルスのオミクロン変異株が世界経済を妨げたり、米利上げを遅らせたりする可能性はないとの見方を受けた。
ドル指数は0.06%高。ユーロは0.05%安の1.1288ドル。
ドル/円は0.65%高の116.08円。一時116.34円と2017年1月11日以来の高値を付けた。
米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は4日、FRBが2022年に2回の利上げを実施する必要があるという見通しを示した。
ポンドは0.45%高の1.3531ドル。一時1.3557ドルと2カ月ぶりの高値を付けた。対ユーロでは約2年ぶりの高値。イングランド銀行(英中央銀行)が来月利上げを実施するとの期待を受けた。
米供給管理協会(ISM)が4日に発表した2021年12月の製造業景気指数は58.7と、前月の61.1から低下し、昨年1月以来の低水準となった。これを受け、ドルは上げ幅を一時縮小した。
米労働省が4日に発表した11月の雇用動態調査(JOLTS)は、自発的な離職件数が前月比37万件増の452万7000と過去最高を更新した。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは0.45%安の4万6230.94ドル。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 米債利回りが大半の年限で上昇した。投資家は高インフレ抑制に向けたFRBによる今年上半期の利上げに備えている。
4日のフェデラル・ファンド(FF)金利先物市場が織り込む、3月までに0.25%ポイント利上げされる確率は約66%。5月までに0.25%ポイント利上げされる確率は100%となっている。
一方、イールドカーブ(利回り曲線)はスティープ化。5・30年債の利回り差は72ベーシスポイント(bp)と1カ月超ぶりの高水準。2・10年債の利回り差も91.8bpと約5週間ぶりの大きさに拡大した。
午後の取引で、5年債利回りは一時1.3980%と2020年2月以来の高水準。終盤は横ばいの1.3687%。
10年債利回りは1.686%と6週間ぶり高水準。終盤は3bp上昇の1.6612%。
30年債利回りは2.103%と10月下旬以来の高水準。終盤は6bp上昇の2.0780%。
一方、2年債利回りは前日に2020年3月以来の高水準を付けていたが、この日は2bp低下の0.7619%だった。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> ダウ工業株30種が前日に続いて終値での最高値を更新した。金融株や工業株が好調だった。
S&P総合500種は取引時間中の最高値を更新する場面もあったが、わずかに下落して終了。ナスダック総合は1%超反落した。テスラなど大型グロース(成長)株の下落が両指数の重しとなった。
業種別ではエネルギー、金融、工業が上げを主導。世界保健機関(WHO)幹部が新型コロナウイルスのオミクロン変異株について、他の変異株に比べて症状が軽度であることを示す一段の証拠が出てきているという認識を示し、投資家心理を支えた。
アナリストの間では、投資家がFRBの利上げに備える中、当面は金融などバリュー(割安)株が相場を主導する可能性があるとの見方が出ている。この日の米債券市場では米国債利回りが前日に続いて上昇した。
S&P500バリュー指数は1%高、グロース指数は1%安で取引を終えた。
個別銘柄ではテスラが4.2%安。前日は13%超急伸していた。
フォード・モーターは11.7%高。電動ピックアップトラック「F─150ライトニング」の年間生産能力を15万台にほぼ倍増すると発表した。
ゼネラル・モーターズ(GM)も、電動ピックアップトラック「シルバラード」の発表を翌日に控えて7.5%上昇した。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> インフレ高止まりに対する警戒感が広がる中で買い進まれ、反発した。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前日比14.50ドル(0.81%)高の1オンス=1814.60ドル。
オミクロン変異株の感染急拡大を巡っては、重症化リスクは低いとの報告が相次いでいるものの、インフレ圧力としての影響が及ぶとの懸念が指摘されている。FRBによる利上げ観測が金利を生まない金の上値を抑える一方で、インフレヘッジ目的の買いが下値を支えている。年明けは米株高が進行しているものの、次第に調整局面に入ると思惑も、安全資産とされる金の需要を高めているもようだ。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 有力産油国による小幅増産方針が維持されたことを受けて供給過剰懸念が後退し、続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月2月物は、前日清算値(終値に相当)比0.91ドル(1.20%)高の1バレル=76.99ドル。3月物は0.89ドル高の76.74ドル。
石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」はこの日、オンラインで閣僚級会合を開催。小幅増産を続ける従来方針を2月も維持すると発表した。オミクロン変異株の感染が世界各地で急拡大し、日米中などの消費国が国家備蓄を放出しているものの、OPECプラスは「石油市場は均衡している」と分析した。
OPECプラスの方針が伝わった直後は、売りが優勢となったものの一時的。発表を受けて供給過剰懸念が後退する中、原油は77.64ドルまで買い戻された。ただ、外国為替市場では対ユーロでドル高が進行。ドル建てで取引される原油に割高感が生じたことが相場の重しとなり、終盤にかけては77ドル近辺で小動きとなった。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 116.14/116.17
始値 116.14
高値 116.34
安値 115.97
ユーロ/ドル NY終値 1.1285/1.1289
始値 1.1276
高値 1.1322
安値 1.1273
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 95*29.50 2.0585%
前営業日終値 96*26.50 2.0170%
10年債(指標銘柄) 17時05分 97*16.50 1.6490%
前営業日終値 97*22.00 1.6300%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*15.00 1.3605%
前営業日終値 99*13.75 1.3690%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*31.38 0.7599%
前営業日終値 99*29.75 0.7860%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 36799.65 +214.59 +0.59
前営業日終値 36585.06
ナスダック総合 15622.72 -210.08 -1.33
前営業日終値 15832.80
S&P総合500種 4793.54 -3.02 -0.06
前営業日終値 4796.56
COMEX金 2月限 1814.6 +14.5
前営業日終値 1800.1
COMEX銀 3月限 2305.6 +24.6
前営業日終値 2281.0
北海ブレント 3月限 80.00 +1.02
前営業日終値 78.98
米WTI先物 2月限 76.99 +0.91
前営業日終値 76.08
CRB商品指数 235.5050 +2.5011
前営業日終値 233.0039
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