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アングル:「円安は買い」が崩れる日本株、含み損の海外勢に投げ観測も

ロイター / 2023年10月4日 17時25分

10月4日、日本株の下落基調が続いている。都内の株価と為替ボード前で同日撮影(2023年 ロイター/Issei Kato)

Mayu Sakoda

[東京 4日 ロイター] - 日本株の下落基調が続いている。背景には米長期金利の高止まりや米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締め長期化への警戒感があるが、過度なドル高/円安が海外投資家にとって日本株を避ける要因となっている側面も意識される。円安でも輸出株が売られ「円安は買い」の構図が崩れており、日本株は下値模索となっている。  東京株式市場では4日、日経平均、TOPIXがともに5営業日続落し、この間に日経平均は終値ベースで1800円超の下落となった。9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)後に高金利長期化が警戒された米株安の影響が日本株にとっては「9月末の配当権利落ちでバリュー株を利益確定売りするタイミングと重なった」とりそなアセットマネジメントの戸田浩司ファンドマネージャーは指摘する。 

「海外勢を中心とする投機筋の信用取引に伴う投げ売りがある」(みずほ証券の中村克彦マーケットストラテジスト)との指摘もある。ドル建ての日経平均やTOPIXがテクニカル的な下値メドに到達したことがトリガーになったとみられている。  海外投資家が参照するとされるドル建て日経平均は、円安が下落に拍車をかけており、長期トレンドを示す200日移動平均線をすでに下回って推移している。「海外勢からすれば望ましくない円安となり、日本株は含み損が出ている」(みずほ証の中村氏)という。TOPIXは3日に中期トレンドを示す75日線を下回り、短期から中期の投資家が投げざるを得ない状況という。

GCIアセットマネジメントの池田隆政ポートフォリオマネジャーは、このところの値動きを「ドル/円が150円に近づくと、株が売られるという奇妙な状況」と指摘する。ドルが150円に接近するにつれ、財務省による為替介入の警戒感が強まり、CTA(商品投資顧問業者)を中心にアルゴリズム取引による先物売りが加速するという。  

4日の東京株式市場では東証33業種全てが下落し、とりわけ輸送用機器は値下がり率トップとなった。輸出関連企業は円安による業績押し上げが期待されるが、真逆の動きとなっている。米金利高や景気低迷が販売に悪影響を及ぼすリスクが嫌気されたほか「円安基調で輸出関連株を買いたいところだが、為替介入の恐れがある間は手を出しづらい」(国内証券ストラテジスト)との声が聞かれる。 

3日の日本時間夜には、ドル/円が150円をつけた後、急落する場面があった。市場では政府・日銀によるレート・チェックや為替介入の思惑が出た。神田真人財務官は4日午前、ニューヨーク外国為替市場での為替介入の有無について「コメントを差し控える」とし、市場には警戒感がくすぶっている。

目先は、米金利の上昇が一服するまで、日本株は不安定な値動きが続くとの見方が優勢となっている。りそなAMの戸田氏は、来週後半から米国や日本で企業決算が始まるとし「米経済はリセッションに向かうとは決め打ちしにくくなってくる。個別企業の業績を見極める中で、市場は冷静さを取り戻していくのではないか」と話している。

(佐古田麻優 取材協力:浜田寛子、平田紀之 編集:石田仁志)

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