9地区で経済活動が横ばい・減少、物価上昇は控えめ=米地区連銀報告
ロイター / 2024年9月5日 7時24分
米連邦準備理事会(FRB)が4日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、3地区で経済活動のわずかな増加を報告した一方、活動の横ばいまたは減少を報告した地区は前回の5地区から9地区に増加した。2022年6月撮影(2024年 ロイター/Sarah Silbiger)
[4日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が4日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、3地区で経済活動のわずかな増加を報告した一方、活動の横ばいまたは減少を報告した地区は前回の5地区から9地区に増加した。物価は全体的に「控えめなペースで上昇した」とした。
報告では「雇用主は需要に対する懸念と不透明な経済見通しを理由に、採用にはより慎重になっており、雇用拡大の可能性は低い」とも指摘した。
パウエルFRB議長らは9月17─18日に開かれる次回の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を現在の5.25─5.50%から引き下げる意向を明らかにしている。労働市場の悪化によって利下げ幅が0.25%ポイントとなるか、通常より大きい0.50%ポイントとなるかは不透明だ。
FRBは、緩やかな経済成長を維持し、失業率も比較的低いままの状態で、2年前に約40年ぶりの水準に高騰したインフレ率をFRB目標の2%に戻すという、経済の「ソフトランディング(軟着陸)」を実現させようとしている。
今年前半はインフレ率が予想を上回ったが、7月の個人消費支出(PCE)価格指数は前年同月比2.5%上昇と、物価上昇が緩やかとなり、FRBは目標達成への自信を強めている。
現在注目されているのは、失業率が4.3%と約3年ぶりの高水準となっており、4カ月連続で上昇したことだ。
これまでのところ、雇用市場の減速は解雇よりも、主に採用減によるものとなっている。今月4日に発表された雇用動態調査(JOLTS)で7月の求人件数は前月から減少して3年半ぶりの低水準となった。
連銀報告では、5地区で全体的な雇用者数はわずか、もしくは小幅に増えたと言及。数地区では企業が「シフトや勤務時間を減らしたり、求人分を採用しなかったり、自然減によって雇用者数を減らしたりした」と報告された。ただ、解雇は低水準にとどまった。
市場関係者は現在、FRBが2024年に関しては9月、11月、12月に金利を引き下げると予想している。
インフレに関しては、価格とコストの圧力が安定するかさらに緩和すると企業は予想している。複数地区は消費者が購入に関してより慎重になっていると報告した。
投資家は現在、FRBが今月だけでなく11月と12月も金利を引き下げると予想している。
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