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NY市場サマリー(4日)長期金利が急低下、株高・ドル安

ロイター / 2021年6月5日 6時29分

[4日 ロイター] - <為替> ニューヨーク外為市場では、ドルが軟化した。米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想に届かなかったことで、連邦準備理事会(FRB)が早期に金融引き締めに着手するとの観測が後退した。

労働省発表の5月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比55万9000人増と、底堅い伸びを示したものの、市場予想の65万人に届かなかった。

OANDAのシニア市場ストラテジスト、エドワード・モヤ氏は「雇用者数の伸びはやや残念だった」とし、このことはFRBがテーパリング(量的緩和の縮小)着手を急ぐ必要がないことを示していると指摘。「経済にとり悪いニュースは、超緩和的なFRBにとっては朗報となる」と述べた。

ナショナル・バンク・オブ・カナダのエコノミスト、ジョセリン・パケ氏は、5月の伸びを勘案しても米国の非農業部門雇用者数は新型コロナウイルス禍前の水準をなお760万人下回っていると指摘。「米労働市場の回復にはまだ長い道のりが残されている」と語った。

終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数は0.38%安の90.135。一時は3週間ぶりの高値を付けていた。

エクスチェインジ・バンク・オブ・カナダの外為戦略部門責任者、エリック・ブレーガー氏は「週末に入るにあたり、ドルに対するいくらかのマイナスの流れが出ている。週明けアジア時間の取引にこうした流れが受け継がれる可能性がある」と述べた。

ユーロは対ドルで0.31%高の1.21650ドル。円は対ドルで0.71%安の109.505円。

中国人民元は1ドル=6.40元を超えて軟化。中国人民銀行(中央銀行)は、人民元相場の急激な上昇の抑制に動いている。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは5.3%安の3万7155.27ドル。イーサは4.2%安の2697.43ドル。米テスラのマスク最高経営責任者(CEO)がビットコインとの「別離」を示唆したことが売りにつながった。

<債券> 長期債を中心に利回りが大きく低下し、利回り曲線が平坦化した。米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想に届かなかったことで、連邦準備理事会(FRB)が早期に金融引き締めに着手するとの観測が後退したことが背景。

10年債利回りは一時1.557%と、5月26日以来の水準に低下。終盤の取引では6.8ベーシスポイント(bp)低下の1.5585%。

30年債利回りは一時2.233%まで低下。終盤の取引では6.1bp低下の2.2341%。

2年債利回りは約1bp低下の0.1507%。

2年債と10年債との利回り格差は5月26日以来の水準に縮小。終盤の取引では5.71bp縮小の140.78bp。

トレードウェブによると、30年物物価連動国債(TIPS)の利回りはマイナス0.077%と、2月中旬以来の低水準で取引を終えた。

労働省発表の5月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比55万9000人増と、底堅い伸びを示したものの、市場予想の65万人に届かなかった。

スターリング・キャピタル・マネジメントのシニア債券ストラテジスト、アンドリュー・リッチマン氏は「雇用者数の伸びは悪くはなかったが、大幅に伸びたわけではない」と指摘。TDセキュリティーズ(ニューヨーク)の金利ストラテジスト、ゲンナディー・ゴールドバーグ氏は、今回の雇用統計はFRBのテーパリング(量的緩和の縮小)や利上げを巡る見通しを変えるほど良好ではなかったとし、これにより、国債利回りは短期的にはレンジ内にとどまるとの見方を示した。

来週は財務省が8日に580億ドルの3年債、9日に380億ドルの10年債、10日に240億ドルの30年債の入札を実施する。

<株式> 反発。ハイテク株が上昇を主導した。朝方発表された米雇用統計を受けて、連邦準備理事会(FRB)が近く緩和縮小に動く可能性があるという観測が後退した。

5月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比55万9000人増と、市場予想の65万人に届かなかった。新型コロナウイルスワクチン接種の広がりにより再度職に就く人が増加し、景気回復が順調に進んでいることがうかがえる一方、労働力不足への不安はなお根強い。

クレセット・キャピタル・マネジメントの最高投資責任者、ジャック・アブリン氏は雇用統計を受け、「FRBへの圧力が和らぎ、低金利政策を長期維持し、様子見姿勢を取ることが可能となる」とし、低金利継続見通しは「リスクテイカーにとって朗報」と述べた。

主要株価3指数は総じて、週足で上昇。ナスダック総合は3週連続での上昇となった。

セクター別ではS&P情報技術が好調で、1.9%高となった。一方、金融は0.2%の上昇にとどまった。

ラッセル1000グロース指数は1.4%高と、バリュー指数の0.4%高をアウトパフォームした。

S&P総合500種は年初来12.6%値上がりし、最高値近辺にある。

個別銘柄では、個人投資家の間で人気の高い「ミーム株」(ネットの情報拡散で取引される銘柄)の1つである映画館チェーン大手AMCエンターテインメントが6.7%安で終了。しかし、週足では80%を超えて上昇した。

米著名投資家ウィリアム・アックマン氏の特別買収目的会社(SPAC)「パーシング・スクエア・トンチン・ホールディングス」は11.9%安。米大手音楽会社ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)の株式の10%を約40億ドルで買収する交渉を進めているとの情報が売り材料となった。

バイデン米大統領が掲げる大型インフラ投資計画の行方が注目される。バイデン大統領は4日、共和党の交渉役を務めるカピト上院議員と協議し、週明け7日も話し合いを継続することで合意した。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.03対1の比率で上回った。ナスダックでも1.54対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は約99億株。直近20営業日の平均は約107億株。

<金先物> 米雇用統計を受けた金利の大幅低下やドル安を背景に買われ、反発した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比18.70ドル(1.00%)高の1オンス=1892.00ドル。週間では0.70%安と、5週ぶりの下落となった。

朝方発表された5月の米雇用統計を受け、長期金利の指標となる10年物米国債利回りが大幅に低下。利子を生まない商品である金塊の投資妙味が高まり、買い進まれた。対ユーロでのドルの下落も金相場への追い風となった。ただ買い一巡後は、1900ドルの節目を手前にもみ合う展開。利益確定の売りも見られ、終盤にかけてはやや上げ幅を縮めた。 金塊現物相場は午後1時31分現在、1オンス=1889.695ドル。

<米原油先物> 対ユーロでのドルの下落やエネルギー需要拡大への期待から買われ、反発した。米国産標準油種WTIの中心限月7月物の清算値(終値に相当)は前日比0.81ドル(1.18%)高の1バレル=69.62ドルだった。8月物は0.79ドル高の69.39ドルとなった。

欧米では、新型コロナウイルスのワクチンが普及し、経済の正常化も進展。エネルギー需要拡大への期待が高まっている。5月の米雇用統計を受け長期金利が低下し、外国為替市場では対ユーロでドル安が進行。ドル建て商品としての割安感からの買いにもつながった。

また、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が1日の総会で6─7月に段階的に減産規模を縮小するとの従来合意を追認。OPECプラスが急激な増産を決定しなかったことは、引き続き買い安心感につながった。

ドル/円 NY終値 109.49/109.52

始値 110.13

高値 110.16

安値 109.37

ユーロ/ドル NY終値 1.2165/1.2169

始値 1.2106

高値 1.2185

安値 1.2108

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時01分 103*01.50 2.2348%

前営業日終値 101*23.00 2.2950%

10年債(指標銘柄) 16時59分 100*20.00 1.5568%

前営業日終値 99*31.50 1.6270%

5年債(指標銘柄) 17時01分 99*27.25 0.7804%

前営業日終値 99*17.25 0.8450%

2年債(指標銘柄) 16時30分 99*30.50 0.1487%

前営業日終値 99*29.75 0.1600%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 34756.39 +179.35 +0.52

前営業日終値 34577.04

ナスダック総合 13814.49 +199.98 +1.47

前営業日終値 13614.51

S&P総合500種 4229.89 +37.04 +0.88

前営業日終値 4192.85

COMEX金 8月限 1892.0 +18.7

前営業日終値 1873.3

COMEX銀 7月限 2789.6 +41.9

前営業日終値 2747.7

北海ブレント 8月限 71.89 +0.58

前営業日終値 71.31

米WTI先物 7月限 69.62 +0.81

前営業日終値 68.81

CRB商品指数 210.2940 +2.8274

前営業日終値 207.4666

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