EXCLUSIVE-米利下げ、より広範囲のインフレ鈍化必要=リッチモンド連銀総裁
ロイター / 2024年4月5日 8時4分
米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は4月4日、財・サービス全般にわたるインフレの持続的な広がりを注視しているとし、利下げを支持するにはより広範囲のインフレ鈍化が必要との見方を示した。2月8日、ニューヨークで撮影(2024年 ロイター/Brendan McDermid)
Howard Schneider
[リッチモンド(米バージニア州) 4日 ロイター] - 米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は4日、財・サービス全般にわたるインフレの持続的な広がりを注視しているとし、利下げを支持するにはより広範囲のインフレ鈍化が必要との見方を示した。
ロイターのインタビューで述べた。同総裁は今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つ。
新型コロナウイルス禍前は財・サービスの約25%が3%超の値上がりを示す傾向にあったとした上で、この比率は現在55%に上ると指摘。この数字と、全体的なインフレ率を目標の2%に戻すために遂げるべき進展との折り合いをつけるのは難しいと語った。
FRBが2023年末、最終的な利下げの地ならしに向けてスタンスを変化させたことについて「昨年末の数字の質は非常に良かったため、前傾姿勢になるのは容易だった」とした。
だが、今年1月と2月のインフレ指標が予想を上回ったことで楽観論は後退した。
バーキン氏はこれについて、季節的な消費パターンの変化といった要因が年初の物価データをゆがめた可能性があるとする一方、年明けの状況が物価安定への回帰における単なる「でこぼこ」(bump)なのか見極める上で、来週発表される3月の消費者物価指数(CPI)が重要になると指摘。
「1月や2月のような状況がもう1カ月続けば、どれほど前傾姿勢を取るか方向性が大きく変わってくる」とし「でこぼこの2カ月間を経て昨年後半(のような状況)に戻るという道筋を引き続き想像することができる。だが、他の道も容易に想像できる」と語った。
その上で「(進展を)確信できる形でインフレデータが入ってくれば、利下げに前向きだ。時間枠は持っていない」と述べた。
全体としてインフレは過去2年間より鈍化しているが、それでもコロナ禍前を上回っていると指摘。「ディスインフレ(インフレ鈍化)のプロセスは続いていると思う」としつつ「そのスピードがどの程度なのかはデータを見なければわからない」と述べた。
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