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韓国・尹大統領が戒厳令を一夜で解除、野党は辞任要求 米政権「安堵」

ロイター / 2024年12月4日 9時9分

韓国の尹錫悦大統領は4日、3日夜に発令した戒厳令を解除する方針を発表した。同日撮影(2024年 ロイター/Kim Hong-Ji)

Jack Kim Ju-min Park

[ソウル 4日 ロイター] - 韓国の尹錫悦大統領は4日、3日夜に発令した戒厳令を解除すると表明した。国会決議を尊重するとした。政治活動やメディア検閲などを含む戒厳令が与野党に拒否されたことを受け、わずか一夜で解除を余儀なくされた。

尹氏は3日夜の緊急テレビ演説で、野党が国を危機に陥れていると非難した上で、「反国家勢力」を撲滅するとして戒厳令を宣言。これに反発した国会は議員300人のうち190人が出席して解除要求決議を採決し、全員の賛成で可決していた。

聯合ニュースによると、政府は4日早朝の閣議で戒厳令解除を決定した。

国会前では抗議していた人々が「われわれは勝利した」などと声を上げた。最大野党の「共に民主党」は大統領に辞任を要求し、拒否すれば弾劾に直面すると警告した。

同党の朴賛大院内代表は「戒厳令が解除されても、国家反逆罪は免れない。尹大統領がもはや国を正常に運営できないことは全国民に明らかになった。辞任すべきだ」と主張した。

尹氏は支持率が20%前後と低迷しているほか、同氏が率いる与党「国民の力」は4月の総選挙で大敗し、野党が国会の多数を握っている。

3日のニューヨーク外為市場では、戒厳令解除を受けて韓国ウォンは対ドルで2年余ぶりの安値から持ち直した。

米ホワイトハウスの報道官は「尹大統領が戒厳令を撤回し、国会の戒厳令解除の決議を尊重したことに安堵している」と述べた。

解除に先立ち、キャンベル米国務副長官は、韓国の情勢を「深刻な懸念」を持って注視しているとし、いかなる政治的紛争も平和的かつ法の支配に従って解決されることを強く望み、期待していると述べた。

米シンクタンク、アジア・ソサエティ政策研究所の副所長で、オバマ政権で東アジア担当の高官を務めたダニー・ラッセル氏は「韓国は国家として危機を回避したが、尹大統領は自ら足を撃ってしまったかもしれない」と述べた。

また、総選挙が前倒しになる可能性もあると指摘。「韓国の政治的不安定と国内対立はわれわれにとって好ましいことではないが、北朝鮮にとっては好都合だ。北朝鮮が舌なめずりしていることは間違いない」と語った。

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